セッション情報 一般演題

タイトル

ESD後幽門狭窄に対する予防的ステロイド局注の検討

演者 栗原 弘義(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 三井 慎也(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 田沼 徳真(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 浦出 伸治(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 田中 一成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 野村 昌史(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
抄録 【背景】ESDの適応拡大に伴い、広範囲切除による狭窄が問題となる症例がしばしば経験される。当院ではESD後の狭窄が予測される幽門輪周囲病変に対してステロイド局注を行い、狭窄例に対しては内視鏡的バルーン拡張術(EBD)を施行している。【目的】ESD後幽門狭窄に対する予防的ステロイド局注の有用性・安全性についてレトロスペクティブに検討する。【対象と方法】2003年7月から2013年4月までに施行された胃ESD 全666例中、幽門輪周囲病変は14例であった。そのうちステロイド局注を行った6例を対象に、狭窄出現率、拡張術施行回数、症状改善率、偶発症発生率について検討した。【結果】ステロイド局注6例中5例に幽門狭窄を認めた。拡張術の施行回数は2-7回(中央値2回)であり、拡張後は全例で狭窄の改善を認めた。穿孔などの合併症は1例もなかった。【考察】ESD後の狭窄予防を目的としたステロイド局注は、食道病変において多数の報告があり、1回ないし数回の施行での大きな狭窄予防効果が広く認識されている。しかし、今回検討した幽門輪周囲においては、ステロイド局注を行っても高率に狭窄をきたしており、食道病変ほどの効果は期待できないと考えられた。ただし、数回の内視鏡的バルーン拡張術の追加や経口ステロイドへの変更により全例で狭窄の改善を認めており、幽門狭窄はコントロール可能と思われた。
索引用語 幽門狭窄, ステロイド