セッション情報 | シンポジウム2 「肝胆膵疾患における画像診断の進歩」 |
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タイトル | 肝疾患診療における超音波診断装置の肝硬度評価機能とFusion画像機能の役割 |
演者 | 中嶋 駿介(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 阿部 真美(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野), 澤田 康司(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野), 前田 重明(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野), 鈴木 康秋(名寄市立総合病院 消化器内科), 大竹 孝明(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野), 藤谷 幹浩(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野), 高後 裕(旭川医科大学 内科学講座 消化器血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 【背景】最近の超音波診断装置には種々の機能が加わり,特に肝線維化判定において非侵襲的評価法Elastographyが侵襲的な肝生検の代替検査となりつつある.また,CT・MRI等他のモダリティとのFusion画像による治療支援が可能となってきている.これら肝組織硬度評価機能・Fusion画像に関する当科の検討を述べる. 【方法】SIEMENS ACUSON S2000/S3000のVirtual Touch Tissue Imaging (VTTI)またはVirtual Touch Tissue Quantification (VTTQ)機能で肝硬度を評価し,肝線維化の指標としてのFib-4 indexおよび血小板数,4型コラーゲン7s,ヒアルロン酸と比較検討した,また,治療支援システムとしてのeSie Fusion Imaging (EFI)機能の使用経験についても報告する. 【対象患者】2009年2月から2013年6月までの間に当科肝臓外来通院または入院中の肝疾患患者のうちVTTI/VTTQ測定を行った患者205例(平均年齢61.7歳,男性110例,女性95例)を対象とした.内訳はウイルス性慢性肝炎(CH)65例,肝硬変(LC)74例,その他(Others)66例(非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD),アルコール性肝障害(ALD),原発性胆汁性肝硬変(PBC)等))である.また,正常ボランティア13例(平均年齢32歳,男性10例,女性3例)を比較対照群とした. 【成績】 各群のVs(m/s)は,正常群1.14±0.08に対し,CH群1.27±0.36,LC群2.10±0.57であり,線維化進行により有意に数値の上昇を認めた.Vsと各線維化パラメーターの相関係数はFib-4 index 0.41,4型コラーゲン7s 0.69,ヒアルロン酸 0.61,血小板数 -0.53であり,VTTI/VTTQによる肝硬度評価は他の線維化の指標と同程度に有用であることが示唆された.また,CT/MRI Fusionを24例施行し,eSie Fusion ImagingによるCT画像との1クリックFusionは診断・治療支援に簡便かつ実用的であった.また,ヨード造影剤禁忌症例においてもmanual registrationでのMRI画像Fusionの有用性が確認された. 【結語】VTTI/VTTQを用いた肝硬度評価およびCT/MRIとのFusion画像による診断・治療支援は肝疾患診療において有用である. |
索引用語 | 肝線維化, VTTI/VTTQ |