セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

サイトメガロウイルスによる急性肝炎重症型の一例

演者 林 秀美(旭川赤十字病院 消化器内科)
共同演者 河端  秀賢(旭川赤十字病院 消化器内科), 伊東  誠(旭川赤十字病院 消化器内科), 富永 三千代(旭川赤十字病院 消化器内科), 富永 素矢(旭川赤十字病院 消化器内科), 藤井 常志(旭川赤十字病院 消化器内科), 長谷部 千登美(旭川赤十字病院 消化器内科)
抄録 症例は60歳代男性。生来健康。2013年1月下旬の職員検診でAST 1318、ALT 1397と高度の肝機能異常を指摘され2月上旬に前医受診し、入院となった。その後、AST・ALTは低下傾向となったが黄疸は進行し、腹水も出現した。ステロイドパルス療法を行ったが、腹水はさらに増加したため2月下旬に当科紹介され、入院となった。入院時採血では、WBC 11720/mm3、Alb 2.3g/dL、T-Bil 13.5mg/dL、AST 76 IU/L、ALT 184 IU/L、LDH 365 IU/L、PT% 25%であり、各種肝炎ウイルスマーカーは陰性だった。CTでは高度の肝萎縮と腹水貯留を認めた。異型リンパ球や脾腫は認めなかった。サイトメガロウイルス(以下CMV)に対するIgM・IgG抗体がともに陽性であったためCMVによる急性肝炎と考えられたがCMV抗原(C7-HRP)は陰性であったためガンシクロビルは投与せず対症的に肝庇護療法を行った。さらにFFPやアルブミン、利尿剤の投与を行い、徐々に肝機能の改善をみた。入院1か月後にはT-Bil 5.2、PT% 39まで改善し、さらに半月後にはPT% が50をこえたため退院となった。CMVは初感染後宿主内にゲノムの形で潜伏感染し、免疫低下状態で再活性化することがあるものの、初感染・再活性化ともに無症候性であることが多いと言われている。本症例では肝炎ウイルスによる肝炎や、薬剤・アルコールによる肝炎は否定的であり、CMV IgM抗体陽性であったことからCMVによる急性肝炎重症型と診断した。免疫抑制を起こすような基礎疾患や薬剤の使用歴はないため、高齢初感染例である可能性が高いと考えられた。本症例のようにCMV肝炎による黄疸の遷延や重症化は非常に稀とされており興味深い症例と思われるので報告する。
索引用語 サイトメガロウイルス, 肝炎