セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

憩室を伴う大腸手術の切除範囲決定に関する3D-CTの有用性

演者 及能 拓朗(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座)
共同演者 古畑 智久(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 沖田 憲司(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 植木 知身(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 秋月 恵美(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 水口 徹(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 川本 雅樹(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座), 平田 公一(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座)
抄録  大腸憩室とは、抵抗減弱部において大腸粘膜が腸管壁の筋層を貫いて外部に突出し嚢状になった状態を指すが、近年本邦では食生活の欧米化および高齢者の増加により大腸憩室疾患が増加している。 一般に大腸癌などの手術において切除範囲を決める際、病変部から十分な距離での切離、適切なリンパ節郭清、支配血管、再建方法などを考慮する必要があるが、切除範囲周辺に憩室が多発している場合には、術後の縫合不全や穿孔を回避するために憩室を含めて切除することが望ましい。憩室の散在範囲や腫瘍との位置関係などを把握するには、下部消化管内視鏡検査や造影検査なども有用であるが、十分な同定ができないことも多い。その点、大腸に空気を注入して撮影する3D-CT画像では憩室の描出が容易であり、その分布や主病変部との位置関係を理解しやすい。我々は大腸手術を受ける患者の術前評価に3D-CT画像を積極的に取り入れている。 今回、多発憩室を伴う大腸手術の切除範囲の決定に際し、術前の3D-CTが有用であった5症例を報告する。症例1:S状結腸癌の70代女性。CSでは腫瘍の肛門側10cmの範囲に多発憩室を認めたが、3D-CTでは全周性に憩室が分布しており、手術では憩室より肛門側で切除した。症例2:直腸膀胱瘻の60代男性。直腸S状部と膀胱との間に瘻孔を形成。CSでは瘻孔は観察されず、S状結腸に多発憩室を認めた。3D-CTでは瘻孔部位を推察でき、憩室の分布も把握できた。手術では憩室を含めて高位前方切除術ならびに膀胱部分切除術を施行した。症例3:大腸憩室症の60代男性。CSではS状結腸全体に渡り憩室が多発。3D-CTではさらに壁肥厚と短縮を認め、狭窄状態となっていた。手術は憩室を含めて腹腔鏡下S状結腸切除術を行った。他、憩室を伴うS状結腸癌の60代男性、結腸憩室炎の30代男性の症例も提示する。 いずれの症例も手術は問題なく終了し、術後合併症は生じていない。
索引用語 大腸憩室, 3D-CT