セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胃カルチノイド腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)の治療法の選択 |
演者 | 柳原 志津妃(札幌厚生病院 第1消化器科) |
共同演者 | 黒河 聖(札幌厚生病院 第1消化器科), 今村 哲理(札幌厚生病院 第1消化器科), 小澤 広(札幌厚生病院 第1消化器科), 前田 聡(札幌厚生病院 第1消化器科), 萩原 武(札幌厚生病院 第1消化器科), 渡邊 義行(札幌厚生病院 第1消化器科), 西岡 均(札幌厚生病院 第1消化器科), 菊池 仁(札幌厚生病院 第1消化器科), 乙黒 雄平(札幌厚生病院 第1消化器科), 鈴木 肇(札幌厚生病院 第1消化器科), 寺門 洋平(札幌厚生病院 第1消化器科), 西園 一郎(札幌厚生病院 第1消化器科), 道上 篤(札幌厚生病院 第1消化器科), 賀集 剛賢(札幌厚生病院 第1消化器科), 宮川 麻希(札幌厚生病院 第1消化器科), 山口 大介(札幌厚生病院 第1消化器科), 市原 真(札幌厚生病院 臨床病理), 後藤田 祐子(札幌厚生病院 臨床病理), 村岡 俊二(札幌厚生病院 臨床病理) |
抄録 | 目的:胃カルチノイド腫瘍は非常に稀な腫瘍である.また,その治療法についても一定の見解は得られていない.当院で経験した胃カルチノイド腫瘍の臨床病理的所見から今後の治療方針を検討する.方法:2006年から2012まで当院で診断,治療した胃カルチノイド,7例をレトロスペクティブに検討した.結果:主訴のすべては検診で上部内視鏡検査となった.性差,年齢は5:2,60.7±16.1.胃カルチノイド腫瘍の分類はType I:3例,Type III:4例.病変の平均個数,最大腫瘍直径とKi-67標識指数を表している細胞のパーセンテージ,核分裂像数は,1.57±1.13,7.5±2.7mmと2.1±1.0%,0.43±1.9(/10HPF).WHO分類での病理組織学的分類ではG1:6例,G2:1例.Type Iの治療前血清ガストリン値の平均は1850pg/dl.タイプ別ごとの治療法は,Type Iは胃幽門側切除術2例,胃全摘術1例,Type IIIは胃幽門側切除術2例,ESD1例,経過観察1例.Type IIIでG2症例にリンパ節転移を1例認めた.平均観察期間は42.3ヶ月,全例再発なく生存している.結語:2010年のWHO分類で従来のカルチノイド腫瘍はNeuroendocrine tumorと総称され,病理組織学的分類も加味されるようになった.従来よりタイプごとにより治療法も異なり,Type I,IIは内視鏡切除,前庭部切除と局所切除,あるいは経過観察など推奨され,Type IIIはリンパ節郭清を伴う胃切除術が推奨されてきたが,治療法に関するガイドラインはまだ公示されていない.今回,我々の施設での検討から,神経内分泌腫瘍として細胞の増殖能が高いG2症例でリンパ節転移を認めた.今後NETの治療法に関しては細胞の増殖能を評価した上での治療法選択が必要と思われる. |
索引用語 | 胃カルチノイド腫瘍, Neuroendocrine tumor |