セッション情報 一般演題

タイトル

ESD後、病理学的に側方断端陽性と診断された早期胃癌の取り扱いと経過の検討

演者 中川 学(北海道大学病院 光学医療診療部DELIMITER中川胃腸科)
共同演者 中川 宗一(北海道大学病院 光学医療診療部DELIMITER中川胃腸科), 小野 尚子(北海道大学病院 光学医療診療部), 間部 克裕(北海道大学病院 光学医療診療部), 清水 勇一(北海道大学病院 光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診療部), 大野 正芳(北海道大学大学院 消化器内科), 鈴木 美櫻(北海道大学大学院 消化器内科), 大森 沙織(北海道大学大学院 消化器内科), 高橋 正和(北海道大学大学院 消化器内科), 吉田 武史(北海道大学大学院 消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学大学院 消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)も標準化され、多くの施設で行われるようになってきたが、切除標本にて側方断端陽性となった症例の取り扱いには一定の基準がない。今回我々は、当院にてESDを施行された早期胃癌症例で、側方断端陽性となった症例の術後の取り扱いと経過につき検討したので報告する。【対象と方法】当科の適応拡大は1)分化型優位m癌、UL(-)、size問わず、2)分化型優位sm1癌、または、分化型優位m癌、UL(+)、大きさ3cm以内、としている。2002年7月から2013年4月までにESDを施行した早期胃癌症例344例410病変のうち、側方断端陽性と診断されたものは27例27病変(6.6%;27/410)で、そのうち適応外病変を除く側方断端陽性、ないしは陽性が疑わしいと診断された16例16病変を対象とし、側方断端陽性診断後の取り扱いと、その後の経過につき検討した。【結果】16例中うち、追加ESDをしたものが3例、APC焼灼のみしたものが4例、APC焼灼後追加手術が2例、追加手術1例、経過観察6例であった。いずれも最終治療後転移、局所再発は認めていない(観察期間6~120Mo.)。なお異時性多発癌にて手術となったものを1例、他病死したものを1例認めた。【結論】遺残を含めても適応の範疇と診断され、深達度Mと判断される遺残に対しては内視鏡治療で根治可能である。APC焼灼でも根治出来る症例はあるが、確実性の観点から追加内視鏡治療はESDが望ましい。病理学的には陽性だが、明らかな遺残なしと判断されたものは経過観察可能だが、注意深く経過観察をする必要がある。
索引用語 ESD, 側方断端陽性