セッション情報 | シンポジウム1 「消化管疾患における画像診断の進歩」 |
---|---|
タイトル | 大腸CT検査と大腸内視鏡検査の被験者受容性の比較検討 |
演者 | 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科) |
共同演者 | 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 木下 幸寿(北海道消化器科病院・内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科), 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科), 中村 英明(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科) |
抄録 | 【目的】本邦の大腸癌検診に大腸CT(3DCT)を導入することを目的に施行された多施設共同臨床試験(JANCT)において、3DCTの良好な診断精度が報告され、3DCTは大腸内視鏡検査(TCS)を補完しうる新しい大腸精密検査法として期待されている。今後3DCTを検診に導入するにあたり被験者の受容性を評価する必要がある。JANCTのアンケート調査から3DCT の受容性についてTCSと比較し検討した。【方法】JANCTでは3DCTとTCSの共通の前処置を用いた。TCSは消化器内視鏡専門医が行った。3DCTはCO2自動注入器を用いて施行した。アンケートでは前処置、3DCT、TCSについてとても楽からとても大変まで5段階の項目から一つ回答を得た(質問1)。また各検査で大変であった点について、ガスを入れられること、痛み、検査時間の長さ等から複数の回答を得た(質問2)。さらに今後に希望する検査について、3DCT、TCS、どちらでもかまわないから一つ回答を得た(質問3)。【成績】1260例の登録症例のうち脱落例79例およびアンケート未回収の1例を除く1180例のアンケート結果を解析した。男性669例、女性511例であり、平均年齢は60.6歳であった。質問1において前処置は3DCTおよびTCSの各2群間比較においてそれぞれ有意差を認め(p<0.001)、前処置は3DCT、TCSと比較し有意に大変と回答される傾向にあった。一方、3DCTとTCSの間では有意差を認めなかった。質問2においては、3DCTではTCSと比較しガスを入れられることが、またTCSでは3DCTに比較し痛みが有意に高値であった(p<0.001)。質問3においては、3DCTが38.5%、TCSが28.1%、とちらでもかまわないが33.4%であり、一様性の検定で有意差を認めた(p<0.001)。【結論】今回の調査において次回希望される検査に3DCTを選択した被験者がTCSよりも多かったことから、3DCTは本邦においてもTCSと同様に大腸がん検診に受け入れられる可能性が高いと思われる。またさらなる前処置法の改善が受容性の向上に結び付く可能性が示唆された。 |
索引用語 | 大腸CT, 大腸内視鏡 |