セッション情報 一般演題

タイトル 081:

遺伝子型2型C型慢性肝炎に対するtelaprevirを含む3剤併用療法の治療経験

演者 中島 知明(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科))
共同演者 小関 至(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 髭 修平(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 木村 睦海(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 荒川 智宏(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 桑田 靖昭(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 大村 卓味(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 豊田 成司(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科))
抄録 【背景と目的】遺伝子型1型 (G1)高ウイルス量C型慢性肝炎に対しては、telaprevir (TVR)を含む3剤併用療法が行われ、simeprevirを含む3剤併用療法の臨床応用が待たれるところであるが、遺伝子型2型(G2)では、protease inhibitorを用いた治療は本邦では未承認で、更なる著効率の向上が待たれている。これらG2症例に対するTVRを含む3剤併用療法の当院の臨床試験参加例の成績を報告する。【対象と方法】臨床試験参加症例は6例であったが、治療開始3日で中止になった1例は除外し、残る5例で治療効果、ウイルス陰性化時期、ヘモグロビンと血清クレアチニンの推移を検討した。遺伝子型は全例2a型、男性5例、平均年齢57.8歳、IL28B TT4例、ITPA CC4例、前治療再燃2例、無効3例、平均HCV RNAは5.7 logIU/mlであった。TVRは1日量2250mgを固定量で12週間投与し、PEG-IFNとribavirin (RBV)は体重ベースで計24週投与した。薬剤の減量基準はG1症例に対する国内第3相臨床試験と同様であった。【成績】59歳 (前治療無効、IL28B TG)で貧血のため4週で治療が中止となった1例を除く治療完遂4例 (80%)でSVRが得られた。平均薬剤投与率は、TVR、PEG-IFN、RBVで、それぞれ、80%、68%、52%であった。前治療内容別では、再燃例2例中2例 (100%)、無効例3例中2例 (67%)でSVRが得られ、HCV RNA陰性化時期は、投与1週が1例、2週が3例、3週が1例であった。治療開始後0/4/8/12/24週の平均ヘモグロビン濃度(g/dl)は、15.0/11.2/11.0/10.9/12.1、治療開始後0/1/4/8/12週の平均血清クレアチニン(mg/dl)は、0.69/0.86/0.85/0.89/0.88とG1に対するTVRを含む3剤併用療法同様に貧血と腎機能低下が認められた。【結論】G2C型慢性肝炎に対するTVRを含む3剤併用療法では、5例中4例 (80%)にSVRが得られ、有害事象発現は、G1症例に対する本併用療法の発現頻度と同等と推測された。
索引用語 telaprevir, 遺伝子型2型C型慢性肝炎