セッション情報 一般演題

タイトル 102:

Slow pull techniqueを用いた通常針での膵腫瘤性病変に対するEUS-FNAの診断能に関する前向き研究

演者 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 知昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 野島 正寛(東京大学医科学研究所 臨床試験管理推進室)
抄録 【背景】近年、slow pull techniqueによるEUS-FNA(以下SP-FNA)が提唱され、特にCore trap付き穿刺針での有用性が報告されているが、通常針によるSP-FNAの成績については明らかではない。
【目的】膵腫瘤性病変に対する通常針によるSP-FNAの有用性を前向きに検討すること(UMIN000011590)。
【方法】2013年4月から9月までに画像検査にて膵腫瘤性病変を指摘し、SP-FNAを施行した症例を対象とし、凝固障害や重篤な合併症を伴う例は除外した。Sample sizeの設定はSP-FNAの正診率を80%とした場合に95%信頼区間が±14.7%に収まる確率が91.2%となる40例とした。最終診断は悪性 37(通常型膵癌 35、膵腺房細胞癌 1、腎癌膵転移 1)、NET 1、AIP 1、SPN 1であった。通常針としてExpect 22G(Boston Scientific)を用い、最初の2passまではSP-FNAを行い組織診に提出した。3pass以降は方法を制限せず、細胞診あるいは組織診に提出した。検体の評価は、同一の病理医により以下の項目について行った ; 1.SP-FNAによる採取量(Gr0 : scanty, Gr1: inadequate, Gr2 : adequate)、2.質(Gr0 : poor、Gr1 : fair、Gr2 : good)、3.血液混入度(Gr0 : significant、Gr1 : moderate、Gr2 : low)、4.SP-FNAの正診率(3pass以降の成績との比較)。
【結果】対象の年齢平均値 68±9.8歳、男女比 18 : 22、占拠部位は頭部 13(33%)、体部 19(48%)、尾部 8(20%)、腫瘤径平均値 38±19mm。1.量 : Gr2 29(73%)、Gr1 11(28%)。2.質 : Gr2 31(78%)、Gr1 7(18%)、Gr0 2(5%)。3.血液混入度 : Gr2 25(63%)、Gr1 13(33%)、Gr0 2(5%)。4.SP-FNAの正診率は90%であり、3pass以降の正診率(90%)と同等であった(p=1.00, McNamer’s test)。
【結論】通常針を用いたSP-FNAにて検体採取量、質、血液混入度が良好であったものは70%程度であり、正診率も通常の方法とほぼ同等であった。
索引用語 EUS-FNA, slow pull technique