セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
037:ポリスチレンスルホン酸カルシウム内服により大腸炎をきたした1例
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演者 |
山内 夏未(留萌市立病院 消化器科) |
共同演者 |
茎津 武大(留萌市立病院 消化器科), 西川 尚(留萌市立病院 消化器科), 中村 元(留萌市立病院 消化器科), 山田 尚太(札幌医科大学 第4内科), 池田 英之(留萌市立病院 病理診断科) |
抄録 |
症例は80歳 女性。CKD、高血圧、高尿酸血症に対し、近医で加療中であった。高カリウム血症があり、ポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:以下CPS、商品名アーガメイトゼリー)を内服していた。前日からの下痢嘔吐を主訴に外来受診。初診時のCTではS状結腸に多発する憩室を認めたものの、腸管壁の肥厚や腸管周囲の毛羽立ちを認めなかった。感染性腸炎と考え腸炎耐性乳酸菌剤3g/day、LVFX 250mg/dayを処方され、症状の軽快が得られた。約2カ月後、軟便の訴えがあり、精査目的に下部消化管内視鏡を施行したところ、S状結腸に内部に小びらんを伴う発赤調粘膜が散在している所見を認めた。びらんを含めて生検したところ、病理所見は浮腫・線維化・炎症を背景に粘膜内にHE染色で好塩基性を呈するCPSの結晶を認めた。本例のように腸管壁にCPSの結晶を認めたケースでは、消化管穿孔・消化管潰瘍に至った例は散見されるが、腸炎の報告は少なく、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
ポリスチレンスルホン酸カルシウム, 大腸炎 |