セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 166:大腸癌におけるKRAS,BRAF,PIK3CA,NRAS遺伝子異常の解析,および抗EGFR抗体薬治療の治療成績との関連 |
演者 | 三橋 慧(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座DELIMITER恵佑会第2病院 消化器内科) |
共同演者 | 能正 勝彦(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 奥田 博介(恵佑会第2病院 消化器内科), 五十嵐 央祥(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 伊藤 美樹(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 内藤 崇史(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 高橋 宏明(恵佑会第2病院 消化器内科), 久須美 貴哉(恵佑会札幌病院 消化器外科), 細川 正夫(恵佑会札幌病院 消化器外科), 武内 利直(恵佑会札幌病院 臨床病理研究所), 山本 英一郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 山下 健太郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 有村 佳昭(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 沖田 憲司(札幌医科大学 消化器・総合,乳腺・内分泌外科学講座), 古畑 智久(札幌医科大学 消化器・総合,乳腺・内分泌外科学講座), 平田 公一(札幌医科大学 消化器・総合,乳腺・内分泌外科学講座), 篠村 恭久(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座) |
抄録 | 【目的】近年,抗EGFR抗体薬がKRAS遺伝子(codon 12/13)野生型大腸癌の治療に用いられている.KRAS codon 12/13の変異だけではなく,KRAS codon 61/146,BRAF,PIK3CA,NRASといった遺伝子変異も同様に耐性へ関与する可能性があると報告されているが,一定の見解は得られておらず,本邦において多数例で検討した報告はない.我々は大腸癌症例を用いてEGFR下流の遺伝子変異を解析し,抗EGFR抗体薬の治療成績との関連を検討した.【方法】当院または関連施設にて切除され,その後抗EGFR抗体薬による治療を受けたKRAS遺伝子codon 12/13野生型大腸癌症例66例を対象とし,KRAS,BRAF,PIK3CA,NRAS変異をパイロシークエンス法にて解析した.さらに,それらの遺伝子異常と予後との関連を後ろ向きに検討した.【結果】抗EGFR抗体投与例においてEGFR下流の遺伝子変異は,重複例も含め,KRAS codon 61/146で7.6%,BRAFで7.6%,PIK3CAで6.1%,NRASで6.1%に認められた.これらの遺伝子変異が一つでもある症例は25.8%で,全て野生型の症例と比較し,PFS中央値は2.6か月 vs 7.7か月(p<0.0001)と有意に不良であった.OS中央値は10.6か月 vs 12.9か月とやや不良な傾向を示すものの有意差を認めなかった.抗EGFR抗体薬が使用されたのは75%以上が三次治療もしくはそれ以降であり,両群に差はなかった.【考察】抗EGFR抗体薬投与例において,今回解析したEGFR下流の4つの遺伝子が一つでも変異している群は有意にPFSが低いことが確認された.大腸癌のテーラーメード治療におけるバイオマーカーとして有用と考えられる. |
索引用語 | 大腸癌, 抗EGFR抗体薬 |