セッション情報 |
ワークショップ13(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
高齢者上部消化管出血における止血治療戦略-静脈瘤を除く
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タイトル |
内W13-15:高齢者における出血性潰瘍の現状と対策
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演者 |
仙田 花実(済生会中津病院・消化器内科) |
共同演者 |
福知 工(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】近年、我が国では高齢化社会に伴い非ステロイド系抗炎症剤(NSIADs)や低用量アスピリンを含めた抗血栓薬の使用が増加している。これに伴い消化管出血の頻度も増加し、高齢者では重症化も懸念される。高齢者と非高齢者における出血性胃十二指腸潰瘍の臨床像において検討した。【対象と方法】当院における2003年から2011年までの出血性胃十二指腸潰瘍にて緊急内視鏡的止血術を施行した406例(平均年齢65.3歳、男女比283:123)のうち、65歳以上を高齢者群(A群:232例、平均年齢76.0歳、男女比135:97)、65歳未満を非高齢者群(B群:174例、平均年齢52.0歳、男女比148:26)としてクリッピングを中心とした内視鏡的処置時間、NASIDs、アスピリン、その他の抗血栓剤内服の服用率、輸血率、死亡率について比較検討を行った。【成績】内視鏡的処置時間は(高齢者群、非高齢者群)で(17.87分、18.42分)において有意差はみられず、再出血率は(9.9%、11%)と有意差はみられなかった。NSAIDs併用率は(38.8%、18.8%)と高齢者群において有意に高率であった。(P<0.001)アスピリン服用率は(25.4%、5.2%)、非アスピリン抗血栓剤服用率は(29.7%、6.3%)といずれも高齢者群において有意に高率であった。(P<0.001)また、輸血率は(61.2%、33.9%)、死亡率は(10.3%、1.7%)と高齢者群において有意に高かった。【結論】内視鏡的止血術は内視鏡的処置時間、再出血率ともに両群間に差はなく、高齢者であっても問題なく施行されていた。出血性潰瘍の臨床的背景は高齢者群においてNSIADs、アスピリン、非アスピリン抗血栓剤服用率は有意に高く、高齢者における出血性胃十二指腸潰瘍の主因であり、輸血率、死亡率が高く非高齢者に比して重症であり、特に高齢者ではNSAIDs/アスピリン潰瘍に対するPPIを中心とした適切な予防が望まれる。 |
索引用語 |
胃潰瘍, NSIADs |