セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 074:自然経過でHBs抗原陰性に至ったHBVキャリアの臨床経過 |
演者 | 小関 至(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)) |
共同演者 | 山口 将功(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 木村 睦海(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 荒川 智宏(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 中島 知明(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 桑田 靖昭(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 大村 卓味(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 髭 修平(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)), 豊田 成司(札幌厚生病院・3消化器内科(肝臓科)) |
抄録 | 【目的】当院において核酸アナログ治療やインターフェロンの介入なく、無治療でHBs抗原(sAg)消失(seroclearance;SC)に至った症例を経時的に観察し、sAg再陽性化例の頻度と、HBs抗体(sAb)出現率とsAb陽性化の寄与因子を検討する。【対象と方法】対象は無治療で観察中sAgSCに至った60例で、sAgSC時にHBV DNA陽性例は除外した。男性/女性は52/8例、肝硬変は14例 (23.3%)、HCC既往は24例 (40.0%)、遺伝子型判定保留/ B / Cは37/7/16例。観察開始時、sAgSC時の年齢(歳)は、それぞれ、59 (29-76)、65 (35-82)、観察開始時のsAg (IU/mL) は1未満19例(31.7%)、1以上10未満 16例(26.7%)、10以上100 未満13例(21.7%)、100以上12例(20.0%)、観察開始時のHBV DNA (logcopies/ml;以下単位略)は検出感度以下36例(60.0%)、3log未満7例 (11.7%)、3log以上4log未満10例(16.7%)、4log以上7例(11.7%)であった。【結果】sAgの再陽性化を認めた3例(5.0%)とsAgSC時に既にsAb陽性であった5例(8.3%)を除いた52例において、カプランマイヤー法による観察開始1/2/3/4/5年後のsAb陽性化率は、17/34/45/59/67%であった。Coxの比例ハザードモデルにより、年齢(連続変数)がハザード比(95%信頼区間) 2.7倍(1.0-7.2)で sAb陽性化に寄与する因子として抽出された(p=0.049)。なお、sAgの再陽性化が認められた3例のうち1例はsAgの陰性と陽性を繰り返し、残る2例はsAg消失後35ヶ月と38ヶ月の経過でsAgが陽性となり、このうち1例はHBV DNAが2.2logと陽性を示したが、経過観察最終時点で、この2例は再びsAgの消失に至った。【結語】3例(5.0%)ではsAgの再陽性化を認め、うち1例は一過性にHBV DNAが陽性となった。sAgSC5年後のsAb陽性率は67%で、sAb陽性化に関連する因子は年齢であった。 |
索引用語 | B型肝炎, HBs抗原 |