セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 012:主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍の胆管穿破により再発を繰り返した胆管炎に対し、EUS-CDSが有用であった一例 |
演者 | 小野 道洋(札幌医科大学 腫瘍・血液内科) |
共同演者 | 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 石渡 裕俊(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 櫻田 晃(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 三浦 翔吾(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 康史(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 小船 雅義(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科) |
抄録 | 症例:80歳代男性。既往歴:60歳代にアルコール性慢性膵炎の診断で膵管空腸吻合術。 2010年5月に黄疸を自覚して他院を受診、胆管炎の診断で当科紹介入院となった。精査により、主膵管型IPMNの胆管穿破による胆管炎の診断となったが、根治手術を希望されなかったため内視鏡的に両端pig tail型プラスチックステントを左右肝管に留置したところ、胆管炎は改善して退院となった。それ以降、約1年毎に胆管炎を生じ、ステント交換が実施されていた。2013年になると閉塞までの期間が短くなり、同年11月に胆管炎の再発と診断され入院となった。 交換毎に内視鏡で観察される粘液は経時的に増加していたため、covered self-expandable metallic stent (c-SEMS) の胆管内留置による穿破部の閉鎖を計画したが、ERCで下部胆管径が16mmと拡張していたため断念した。左右肝管に2本ずつ、計4本のプラスチックステントを留置したが胆管炎の改善はみられなかった。そこで、7Fr pig tail ENBD tubeを肝門部に留置し、粘液ならびにdebrisの吸引と洗浄を行い上部胆管径の細径化を図った後に、endoscopic ultrasound-guided choledochoduodenostomy (EUS-CDS) を行う方針とした。10日間の吸引と洗浄の後、胆管造影を行うと胆管径の細径化が得られており、10x60mmのc-SEMS を用いてEUS-CDSを施行した。翌日から食事開始が、4日後に退院が可能であった。covered membraneにより穿破部からの粘液の肝側への流入が防止され、胆汁は肝門からc-SEMSを通じて直接十二指腸球部に排出されていることが良好なドレナージをもたらしたものと推測している。 |
索引用語 | EUS-CDS, IPMN胆管穿破 |