セッション情報 一般演題

タイトル 168:

血清CEA高値を契機に発見された虫垂粘液嚢胞腺腫の2例

演者 武藤 桃太郎(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科)
共同演者 杉山 浩平(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 武藤 瑞恵(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 升田 晃生(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 高橋 裕之(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 萩原 正弘(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 青木 貴徳(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 橋本 道紀(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 稲葉 聡(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科), 矢吹 英彦(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 外科)
抄録 虫垂粘液嚢胞腺腫は比較的稀な疾患で、特徴的な症状がなく術前診断は困難とされる。しかし、破裂した場合に腹膜偽粘液腫となり臨床的に悪性経過をたどるため、早期の外科手術が必要である。今回我々は、血清CEA高値を契機に発見され、免疫染色でCEA産生が証明された虫垂粘液嚢胞腺腫の2例を経験したので報告する。症例1は85歳、女性。近医にてCEA 9.2ng/mlと高値を指摘され当科紹介となった。CT検査、腹部超音波検査で虫垂部に長径約50mmの嚢胞状腫瘤を認めた。下部消化管内視鏡検査で盲腸末端に可動性良好な粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた。注腸造影検査では盲腸下端に半球状の表面平滑な隆起性病変を認め、虫垂は造影されなかった。虫垂粘液嚢腫と診断し盲腸部分切除術を施行した。術後CEA 4.7ng/mlと正常化した。症例2は74歳、女性。高血圧、高脂血症で当科通院中にCEA 12.3ng/mlと高値を示し、CT検査、腹部超音波検査で虫垂部に長径約80mmの嚢胞状腫瘤を認めた。下部消化管内視鏡検査で盲腸末端に粘膜下腫瘍様の隆起を認めた。注腸造影検査では盲腸に粘膜下腫瘍様の立ち上がりを呈する隆起性病変を認め、頂部に虫垂開口部と思われる陥凹を有し、虫垂は造影されなかった。虫垂粘液嚢腫と診断し盲腸部分切除術を施行した。術後CEAは1.5ng/mlと正常化した。いずれの症例も病理組織学的に虫垂粘液嚢胞腺腫と診断され、CEA染色で嚢胞上皮に濃染像が得られた。虫垂粘液嚢胞腺腫において血清CEA高値を示す頻度は31.6~46.9%と報告があり、発見契機になりうると考えられたので報告する。
索引用語 虫垂粘液嚢胞腺腫, CEA