セッション情報 | 合同シンポジウム「全身性疾患に伴う消化器疾患」 |
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タイトル | S1-2:メタボリックシンドロームからみた非アルコール性脂肪性肝疾患 |
演者 | 土居 忠(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター) |
共同演者 | 本間 久登(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター), 田中 信悟(札幌共立五輪橋病院 消化器病センターDELIMITER札幌共立医院 消化器内科), 秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター), 大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター), 高橋 稔(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター), 森井 一裕(札幌共立五輪橋病院 血液腫瘍内科), 古川 勝久(札幌共立五輪橋病院 血液腫瘍内科), 平田 健一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター), 女澤 慎一(札幌共立医院 消化器内科), 奥田 敏徳(王子総合病院 消化器内科), 南 伸弥(王子総合病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は慢性肝疾患としての意義のみならず、糖尿病、脂質異常症などの代謝異常とオーバーラップし、メタボリックシンドローム(MetS)とも密接な関連を有している。すなわち脂肪性肝疾患は肥満症あるいはMetSという全身性疾患の肝表現型であるといえる。今回はMetSにおける脂肪性肝疾患の実態ならびにその頻度に及ぼすMetS構成要因の関与について検討した。【対象・方法】対象は2012年4月からの1年間に当院ならびに関連施設の健診受診者のうち、ウイルス性および自己免疫性慢性肝疾患を除いた4064名(男性:2922、女性:1142)を対象とした。MetSの頻度およびMetSにおける脂肪肝の合併頻度などを検討するとともにMetSの構成要因である腹囲基準以上、脂質異常症、空腹時高血糖、高血圧と脂肪肝頻度の関連について多重ロジスティック回帰分析により検討した。【結果】全受診者群の平均年齢は51.3±8.7歳で、MetS基準該当群、予備群および非該当群の頻度はそれぞれ14.3%、15.2%、70.5%であった。MetS基準該当群/予備群/非該当群の脂肪肝頻度は64.0/53.7/31.3%であり、MetS構成要因数別の脂肪肝頻度は0/1/2/3/4個 : 26.0/34.1/41.0/59.4/72.2%であった。腹囲基準以内群と基準以上群の脂肪肝頻度はそれぞれ29.7、56.6%であった。多重ロジスティック回帰分析ではMetSの各構成要因のうち腹囲基準以上、空腹時高血糖、脂質異常症は脂肪肝頻度増加と有意な関連を示したが、高血圧については脂肪肝頻度との有意な関連は認められなかった。【結語】MetS構成要因数が増えるほど脂肪肝頻度は有意に増加したが、MetS予備群やMetS構成要因数が少ない群においても比較的高い頻度で脂肪肝が認められることから、脂肪性肝疾患はメタボリックドミノの上流域に位置し、MetSにおける代謝異常をより早期に反映する指標となると考えられる。 |
索引用語 | メタボリックシンドローム, NAFLD |