セッション情報 一般演題

タイトル 062:

Laparoscopy Endoscopy Cooperative Surgery(LECS)を施行した胃粘膜下腫瘍の一例

演者 宮島 治也(札幌清田病院 消化器内科)
共同演者 猪股 英俊(札幌清田病院 消化器内科), 岡本 哲郎(札幌清田病院 消化器内科), 村松 博士(札幌清田病院 消化器内科), 長町 康弘(札幌清田病院 内科), 山内 尚文(札幌清田病院 内科), 後藤 義朗(札幌清田病院 内科), 小山 隆三(札幌清田病院 内科), 井原 康二(札幌清田病院 内科), 西里 卓次(札幌清田病院 内科), 福島 正之(札幌清田病院 外科), 矢野 智之(札幌清田病院 外科)
抄録 【はじめに】胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下切除は安全で簡便な術式として認識されているが、胃内発育型腫瘍においては過剰な胃粘膜切除による術後変型を来す事がある。また、胃噴門部の病変では噴門側胃切除術の様な術後のquality of life(QOL)を損なう可能性の高い術式が選択される事もある。今回我々は胃内発育型の胃噴門部粘膜下腫瘍に対して単孔式laparoscopy endoscopy cooperative surgery(以下LECS)を行ったので、若干の文献的考察を加え報告する。【症例】35歳男性。【現病歴】H25年6月8日、検診の胃バリウム検査で胃粘膜下腫瘍を指摘され当科初診。上部消化管内視鏡検査にて胃噴門部後壁に直径約3cmの粘膜下腫瘍を認めたため、精査加療目的に当科入院となった。【経過】病変からのボーリング生検では粘膜下腫瘍の成分は含まれず、術前の確定診断には至らなかった。超音波内視鏡検査では病変は粘膜下層から連続する低エコーの腫瘤として認めた。腹部造影CT検査では造影効果の乏しい胃壁内腫瘍であった。リンパ節や多臓器への転移を認めなかった。EUS-FNA、FDG-PET検査は同意を得られなかった。本人、家族に充分なインフォームドコンセントを行った上で、胃噴門部後壁の胃内発育型粘膜下腫瘍に対して単孔式LECSを行った。手術時間395分、出血量は少量であった。術後の胃ガストログラフィン造影検査では、食道から胃への流れはスムーズで、胃の運動は良好であったため、術後4日目より食事を開始し、退院となった。手術標本の病理診断はleiomyomaであった。【まとめ】噴門部後壁の胃内発育型粘膜下腫瘍に対して単孔式LECSを行った。安全に局所切除が可能で、噴門部胃切除術を回避できたと考える。
索引用語 LECS, 胃粘膜下腫瘍