セッション情報 一般演題

タイトル 179:

カプセル内視鏡の新たなる展開

演者 佐々木 清貴(北海道消化器科病院)
共同演者 加藤 貴司(北海道消化器科病院), 木下 幸寿(北海道消化器科病院), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院), 町田 卓郎(北海道消化器科病院), 碇 修二(北海道消化器科病院), 山田 裕人(北海道消化器科病院), 中村 英明(北海道消化器科病院), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院), 目黒 高志(北海道消化器科病院), 堀田 彰一(北海道消化器科病院)
抄録 <はじめに>2007年カプセル内視鏡(VCE)がOGIBに適応となり、出血性疾患を低侵襲に精査することができるようになった。2012年よりPatency capsuleが承認されVCEの非OGIBへの適応拡大となり、クローン病などの慢性炎症性腸疾患にても精査可能となった。小腸検査の需要が拡大するなかで、2014年より大腸カプセル内視鏡が保険適応となり、消化管スクリーニングにおける新たなるモダリティーとして期待されている。当院にては2008年よりVCEを導入し、小腸疾患について検討を施行してきたがこれまでの検査経験をふまえ、現況および今後のカプセル内視鏡について検討をおこなった。<対象と方法>2008年より当院にて小腸カプセル内視鏡検査(VCE)を施行された450例および大腸カプセル内視鏡検査につき検討をおこなった<結果>当院にて2008年~2013年小腸内視鏡検査はVCEにて450例に施行された。VCEにおいては、OGIB精査が62.2%、腹痛などの精査が27.3%、腫瘍精査が10.5%であり、診断率は40.9%であった。非OGIB症例を含め広く有用性を認め、それぞれの疾患に対する診断、治療のアルゴリズムを検討することができた。現在、VCEによる一次精査およびDBEによる診断確定を基本としているが、積極的に検査を導入することにより、多くの症例に病変の早期診断が可能となり、疾患予後の改善を認めた。また、大腸カプセル内視鏡においては2014年1月より保険適応となるが、その適応としては大腸疾患が疑われる患者に対し、診断用大腸内視鏡としての広い適応を有する。国内治験において、その前処置や読影に関し検討されてきたが、導入後の検討課題は多い。当院における大腸カプセル内視鏡施行状況について検討を行った。<結論>VCEによる小腸精査は有用性が高く可能な限り施行されるべきであると考える。また大腸への適応拡大にある現況において今後、カプセル内視鏡の需要増加に伴い、読影支援を含むさまざまな検討が望まれる。
索引用語 カプセル内視鏡, 大腸カプセル内視鏡