セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 142:

腸閉塞で発症した十二指腸石の一症例

演者 梅津 弘樹(日鋼記念病院消化器センター)
共同演者 加藤 一樹(日鋼記念病院消化器センター), 渡辺 真裕子(日鋼記念病院消化器センター), 川村 雄剛(日鋼記念病院消化器センター), 根間 洋明(日鋼記念病院消化器センター), 横山 和典(日鋼記念病院消化器センター)
抄録 消化管に発生する結石は胃石が多く、十二指腸以下の腸石はまれとされる。今回我々は、十二指腸空腸曲に十二指腸石が嵌噸して腸閉塞を発症した一症例を経験したので報告する。症例は79歳、女性。前日夕食摂取後、翌朝より嘔気、嘔吐が出現して軽快しないために午後5時過ぎに当院に救急搬送された。CTで胃から十二指腸下行部、水平部の拡張を認め、十二指腸空腸曲に40mm大の層状構造を呈する楕円形腫瘤を認め、その肛門側では腸管拡張が消失していた。また水平部に35mmx25mm大の憩室を認めた。第3病日の上部消化管内視鏡検査で十二指腸水平部に黄色調の球状異物を認めた。鉗子での感触は弾性があったが表面は硬くなく、鉗子で削れる状態であった。また、十二指腸水平部の憩室辺縁には線状潰瘍を認めた。以上より十二指腸水平部憩室に形成された仮性腸石が落下して十二指腸空腸曲に嵌頓したことで発症した腸閉塞と診断した。腸石が比較的大きく、十二指腸深部に存在することから、小腸内視鏡を用いた電気水圧採石術(以下EHL)を施行した。腸石表面が軟らかいことと成分が粘綢であったために腸石は破砕されなかったが、腸石内部にEHLプローブを挿入して衝撃波を発生させることで内部が崩れて変形し始めたために蠕動による破砕を期待して手技を終了した。治療3日後のCTでは、十二指腸の拡張は消失し、透視でも腸石の消失と小腸への造影剤の流出を確認した
索引用語 十二指腸石, 腸閉塞