セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 155:

膵胆管合流異常を合併した原発性胆嚢管癌の一症例

演者 菊地 香澄(日鋼記念病院消化器センター)
共同演者 横山 和典(日鋼記念病院消化器センター), 渡辺 真裕子(日鋼記念病院消化器センター), 川村 雄剛(日鋼記念病院消化器センター), 加藤 一樹(日鋼記念病院消化器センター), 根間 洋明(日鋼記念病院消化器センター), 蔵谷 勇樹(日鋼記念病院消化器センター), 舩越 徹(日鋼記念病院消化器センター), 喜納 政哉(日鋼記念病院消化器センター), 高田 譲二(日鋼記念病院消化器センター), 浜田 弘巳(日鋼記念病院消化器センター), 藤岡 保範(日鋼記念病院病理診断科)
抄録 胆嚢管癌は全肝外胆道癌の2.6-12.6%、胆嚢癌の1.5%を占めるとされる比較的まれな腫瘍で、Farrarの診断基準により診断される。また、膵胆管合流異常症には胆道癌の合併が多く、全国集計では成人例の28.7%に合併を認めている。今回我々は上記診断基準に合致した膵胆管合流異常合併原発性胆嚢管癌を経験したので報告する。症例は78歳、女性。右背部に放散する腹痛を自覚して当科を受診し、CTで胆嚢の腫大と中部胆管で16mmの胆管拡張を認め、下部胆管に結石の存在が否定し得ないために入院した。入院後に症状は速やかに軽快し、肝胆道系酵素の上昇は認めなかった。入院後のMRCPでは肝外胆管の単純拡張と偏位、胆嚢のシグナル低下を認めた。EUSでは胆管内には結石や腫瘍は認めなかったが、膵胆管合流異常を認めた。胆嚢は高エコーが充満していたが、胆嚢内の評価はできなかった。胆嚢管または胆嚢頚部の閉塞による慢性閉塞性胆嚢炎と診断したが、その原因を確定し得えず、膵胆管合流異常の担癌率の高さを考慮して確定診断目的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。病理組織学的には胆嚢管に12x9x8mm大の結節を認め、tub2, ss, ly0, v0, pn0, pN0, pBM1, pHM0, pEM1, stage II, fCur Bの診断となった。 術後は追加切除を施行せずに経過観察している。原発性胆嚢管癌では胆嚢腫大や胆泥を60%以上に認め、結石合併率は胆嚢癌に比較して低率であるとされる。また、Farrar基準を満たした膵胆管合流異常合併例の報告はまれであり報告した。
索引用語 胆嚢管癌, 膵胆管合流異常