セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
107:Cold polypectomyの安全性の検討
|
演者 |
吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科) |
共同演者 |
清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 林 健児(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 羽場 真(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 川本 泰之(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科) |
抄録 |
【背景・目的】大腸ポリープを内視鏡摘除することにより大腸癌の罹患率・死亡率が抑制されることがNational Polyp Studyで報告されたことから,全ての大腸腫瘍性病変を発見し切除することが大腸癌の予防につながると考えられる.しかし,1cm未満の小ポリープ全てのポリープを切除することは実臨床では容易ではない.欧米では高周波装置を使用しないcold polypectomyが広く行われているが日本での安全性の検討は少ない.今回の我々の目的は,cold polypectomyの安全性について検討することである.【方法】2013年8月から10月までの期間,当院にてcold polypectomyを施行した41症例,82病変.Cold polypectomyの適応は,腫瘍径1cm未満の非有茎性ポリープとした.治療前内視鏡にてSM浸潤癌の可能性等,一括切除で病理組織学的評価が必要と判断した病変は粘膜切除(EMR)を施行したので除外した.cold polypectomyから2週間以内の偶発症(出血・穿孔)の頻度を評価した.【成績】82病変の臨床像は部位が右半結腸40,左半結腸42,肉眼型がIs/Isp37,IIa45,腫瘍径は平均4.7mm(1~5mm64,6~9mm17),抗凝固剤・抗血小板剤内服例は,ワーファリン5,アスピリン5,その他2であった.切除手技はsnare72,biopsy10で,病理組織所見はlow grade adenoma57,serrated adenoma9, hyperplastic polyp9, その他3で切除断端陰性49,陽性2,不明31であった.偶発症は,minor bleeding 1例1.2%(ポリペク後5日目にわずかな血便)に認めたのみで,内視鏡的止血や輸血を要する出血,穿孔等の重篤な偶発症は認めなかった.【結論】cold polypectomyは1cm 以下の大腸ポリープの切除手技として安全で簡便な手技である可能性が示唆された.しかし,断端の病理評価が不明な症例が多く,遺残・再発の問題が残る為,今後もさらに症例を重ねて検討する必要がある. |
索引用語 |
polypectomy, 大腸ポリープ |