セッション情報 一般演題

タイトル 057:

内視鏡的治療抵抗性で外科的治療を要した胃前庭部毛細血管拡張症の一例

演者 中積 宏之(市立稚内病院 内科)
共同演者 長島 一哲(市立稚内病院 内科), 出水 孝章(市立稚内病院 内科), 佐野 逸紀(市立稚内病院 内科), 羽田 政平(市立稚内病院 内科), 許 理威(市立稚内病院 外科), 國枝 保幸(市立稚内病院 内科)
抄録 症例は60歳代女性。慢性腎臓病にて通院加療中。2007年に横行結腸癌に対する根治手術の既往があり、術後2011年8月まで5’-DFURによる術後補助化学療法が行われていたが、Hb 3.7g/dLと高度貧血を認めたため中止となった。しかしその後もHb 4-5g/dLの小球性低色素性貧血を繰り返し、月1回程度の赤血球輸血を要した。骨髄検査では貧血の原因となる所見を認めず、腎性貧血を疑ったがエリスロポエチン製剤投与でも改善を認めなかった。消化管内視鏡検査で胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を認めたため出血源と診断し、2012年8月~12月の間に計6回のアルゴンプラズマ凝固法(APC)による止血術を施行した。しかし貧血の改善を認めなかったため、2013年1月に当院外科にて幽門側胃切除術を施行した。以後、貧血は改善し、2013年11月現在でも貧血の再燃を認めていない。
GAVEに対しては内視鏡的止血術が第一選択となっているが、長期効果は十分でなく再発が多いこと、難治例に対する標準的治療が確立されていないことが問題となっている。今回、難治性のGAVEに対して外科的治療が有効と考えられた一例を経験したため、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 GAVE, 幽門側胃切除術