セッション情報 一般演題

タイトル 083:

Talaprevir(TVR)/Peginterferon(PEG)/Ribavirin(RBV)3剤併用療法におけるTVR2250 mg/dayと1500 mg/day投与の比較検討

演者 遠藤 文菜(市立札幌病院 消化器内科)
共同演者 永坂 敦(市立札幌病院 消化器内科), 重沢 拓(市立札幌病院 消化器内科), 小池 祐太(市立札幌病院 消化器内科), 藤田 與茂(市立札幌病院 消化器内科), 小野 雄司(市立札幌病院 消化器内科), 中村 路夫(市立札幌病院 消化器内科), 工藤 俊彦(市立札幌病院 消化器内科), 西川 秀司(市立札幌病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】TVR/PEG/RBV3剤併用療法は、高い治療成績が期待される反面、貧血や皮膚症状、腎障害など有害事象を認めるため投与量の調整が必要である。今回TVR 2250 mg/dayと1500 mg/day投与2群にわけ、治療効果、有害事象について比較検討した。【対象及び方法】当院にて3剤併用療法を開始したgenotype1b・高virus量の26例を対象とした。TVR 2250 mg投与(A群)は15例、1500 mg投与(B群)は11例で、主治医の判断で投与量を決定せず、前半、後半で振り分けた。RBVは開始時減量を基本とし、PEGは通常量とした。治療完遂率、ウイルス消失率、有害事象について比較検討した。【結果】A群:男性/女性=A群4/15 例、B群=2/9例、年齢中央値=A群63歳(48-73歳)、B群61歳(37‐67歳)、初回治療=A群3/15 例、B群3/11 例、HCVRNA中央値=A群6.4 LogIU/ml (5.7-7.3 LogIU/ml)、B群6.7 LogIU/ml (5-7.4 LogIU/ml)、Core70置換wild =A群9/15 例、B群8/11 例、IL28BTT=A群9/15例、B群8/11例であった。3剤完遂率A群:86.7% 、B群: 90.9%、TVR完遂率はA群:60%、B群:100%であった。経過中RBV減量例はA群83 %、B群100%で、予定総投与量に占めるRBV投与率はA群55 %、B群49.5%であった。3剤完遂例におけるHCVRNA陰性化率は、A群:4/8/12週=75/100/100 % 、B群:4/8/12週=50/100/100%であった。いずれも8週以降でHCVRNA陰性化率100 %を達成した。TVR完遂例におけるSVR2で評価するとA群:84.6%、B群:81.8%と同程度の有効率であった。副作用に関しては1)貧血: 3剤完遂例にて経過中Hb10 g/dl以下となった症例はA群:100 %、B群:60%であった。また、Hbの治療前値と最低値を比較したHb低下率は、A群37%、B群29.1%とA群のほうが低下率は大きかった。2)腎障害:eGFR%の減少率は、A群48.3%、B群31%であった。3)皮膚症状:A群80%、B群 36.3%の頻度で生じた。【考察および結語】TVR1500mg投与は完遂率をあげ、副作用の頻度を低下させた。またSVR2の時点での有効率はほぼ同等であり、十分な治療効果を望めると考えられた。
索引用語 慢性C型肝炎, テラプレビル