共同演者 |
穂刈 格(恵佑会札幌病院 消化器内科), 塚越 洋元(恵佑会札幌病院 消化器内科), 小平 純一(恵佑会札幌病院 消化器内科), 西田 靖仙(恵佑会札幌病院 消化器外科), 久須美 貴哉(恵佑会札幌病院 消化器外科), 木ノ下 義宏(恵佑会札幌病院 消化器外科), 吉川 智宏(恵佑会札幌病院 消化器外科), 芦立 嘉智(恵佑会札幌病院 消化器外科), 澄川 宗祐(恵佑会札幌病院 消化器外科), 那須 裕也(恵佑会札幌病院 消化器外科), 三橋 洋介(恵佑会札幌病院 消化器外科), 坂下 啓太(恵佑会札幌病院 消化器外科), 細川 正夫(恵佑会札幌病院 消化器外科) |
抄録 |
【背景】乳癌において, HER2過剰発現例ではCentral Nervous System (CNS)転移の頻度が高いことが知られている. いっぽう胃癌におけるCNS転移の頻度は1%以下ときわめてまれである. ToGA試験によりTrastuzumab (T-mab)の生存延長効果が証明され、胃癌の日常診療においてもT-mab併用療法が標準治療となったものの, CNS転移との関係は不明である.【目的】当科で全身化学療法を施行した切除不能進行・再発胃癌(接合部癌を含む)におけるCNS転移の頻度を明らかとし, 臨床病理学的背景の検討を行うこと.【対象】2011年3月から2013年2月まで当科で全身化学療法を施行した60例, 性別:M/F 43/17例, 年齢:33-81歳(中央値61歳), 観察期間: 8-570日(中央値 194日), 1次治療/2次治療以降 30/30例, HER2陽性/陰性 20/40例. HER2陽性症例では, 全例にT-mab投与が行われた.【結果】HER2陰性例ではCNS転移を認めなかったが, HER2強陽性例に5例 (25%)の転移を認め , T-mab開始後のCNS転移出現までの期間は180-414日(中央値306日)であった.CNS転移はHER2陽性例 (p=0.002, log-rank)および転移臓器個数の多い症例(2個以上 vs. 1個)で有意に高率であった (p=0.008, log-rank)が, 組織型・肺転移・前治療・胃切除歴・標的病変の有無に有意差は認めなかった.【結語】HER2陽性胃癌におけるT-mab併用化学療法症例では, 乳癌と同様にCNS転移に注意する必要がある. |