セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 156:

選択的胆管挿管不能例に対する超音波内視鏡ガイド下ランデブー法の成績

演者 平田 甫(北海道大学 消化器内科)
共同演者 河上 洋(北海道大学 消化器内科), 桑谷 将城(北海道大学 消化器内科), 川久保 和道(北海道大学 消化器内科), 久保 公利(北海道大学 消化器内科), 工藤 大樹(北海道大学 消化器内科), 阿部 容子(北海道大学 消化器内科), 久保田 良政(北海道大学 消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学 消化器内科)
抄録 【背景】超音波内視鏡ガイド下ランデブー法(EUS-guided rendezvous methods: EUS-RV)は選択的胆管挿管困難例に対するサルベージ法として,その有用性が報告されているが,適応や手技・処置具の標準化はなされていない.【目的】EUS-RVの臨床成績を検討し,手技の有効性,安全性を明らかにすること.【対象】2012年10月~2013年12 月の間,当科でEUS-RVを施行した9例.【検討項目】(1)患者背景,(2)選択的胆管挿管不成功理由,(3)手技成功率,(4)手技内容,(5)経口摂取開始までの期間,(6)偶発症.【結果】(1)男女比1:2,年齢中央値73歳(59-89),基礎疾患は胆管結石5例,胆管癌1例,良性胆道狭窄1例,先天性胆道拡張症1例,胆嚢腫瘍1例.5例はプレカット施行後.(2)Billroth-I 法再建術後2例,憩室内乳頭2例,その他5例.(3)手技成功率は78% (7/9)で,不成功2例はEUS-CDSへの変更1例,経乳頭的胆管挿管への変更1例.穿刺は合計13回施行し,全て成功したが,6回はEUS-RVが不成功.不成功例の胆管穿刺方向はいずれも胆管長軸に対して肝門部側への穿刺であったが,成功例の穿刺方向は全例で十二指腸乳頭部側であった.(4)穿刺針は全例で19G針を用い,1 例は胆管径が細く22G針に変更.穿刺部位は十二指腸下行脚4例,球部2例,胃穹隆部1例,胃前庭部1例,食道1例.ガイドワイヤーは8例で0.025inch(Visiglide)を用い,うち2例0.035inch(Radifocus)に変更.1例で0.018inch (Pathfinder)を用いた.最終胆管挿管法はover-the-guidewire3例,along-the-guidewire4例.胆管結石5例中,EPLBD2例,EST2例で一期的結石除去に成功.1例はプラスチックステントを留置,再度結石を除去.胆管狭窄に対しては金属ステントを2例に留置.手技時間中央値78分間(40-120).(5)経口摂取開始までの期間は中央値4日(1-13).(6)胆汁性腹膜炎2例,腹腔内遊離ガス1例,ERCP後急性膵炎(軽症)を1例に認め,いずれも保存的治療で改善.【結語】EUS-RVは選択的胆管挿管困難例に対して有効な挿管法となり得る.手技成功のためには,胆管穿刺方向に留意する必要がある,と考えられた.
索引用語 EUSガイド下ランデブー法, 選択的胆管挿管