セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 144:

大量下血を来した大きさ12mmの小腸GISTの1例

演者 佐藤 裕基(旭川厚生病院 消化器科)
共同演者 高橋 慶太郎(旭川厚生病院 消化器科), 河本 徹(旭川厚生病院 消化器科), 藤永 明裕(旭川厚生病院 消化器科), 佐藤 智信(旭川厚生病院 消化器科), 後藤 充(旭川厚生病院 消化器科), 柳川 伸幸(旭川厚生病院 消化器科), 斉藤 義徳(旭川厚生病院 消化器科), 折居 裕(旭川厚生病院 消化器科), 柴田 好(旭川厚生病院 消化器科)
抄録 症例は60歳代、男性。黒色便を主訴に前医を受診し、Hb 5.9g/dlと貧血を認めた。上部および下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源を指摘されなかったが、大量下血が持続するため精査目的に当科紹介となった。当科での上部および下部消化管内視鏡検査では出血源を認めなかったが、回腸末端より口側に黒色便を認め、小腸出血が疑われた。CTでは当初小腸病変を指摘できなかった。カプセル内視鏡で上部空腸に凝血塊の付着を認めたため、経口ダブルバルーン内視鏡検査を施行したところTreitz靭帯より約15cm肛門側の上部空腸に凝血塊の付着した中央部に陥凹を伴う粘膜下腫瘍を認めた。生検では確定診断に至らなかったが、小腸腫瘍による出血と判断し、診断的治療目的に当院外科で小腸部分切除術を施行した。手術検体では最大径12mmで境界明瞭な粘膜下腫瘍を認め、病理組織では紡錐状細胞の束状増殖を示した。免疫染色ではc-kit(+)、CD34(+)、desmin(-)、S-100(-)であり、MIB-1標識率は1%未満、核分裂像は見られず、超低リスク小腸GISTと診断した。GISTは全消化管腫瘍の0.2~0.5%と比較的稀であるが、そのうち小腸GISTの発生頻度は20~30%前後とされる。腫瘍径が小さいうちは無症状であることが多く、大量下血を来す小腸GISTの腫瘍径は平均5.5cmとの報告があるが、腫瘍径が12mmと小さなGISTでも大量下血の原因となりえた。持続する小腸出血の場合はGISTも含めた小腸腫瘍の可能性を考え、積極的な小腸検索が必要であると考えられる。
索引用語 GIST, 小腸