セッション情報 一般演題

タイトル 004:

中下部胆管癌の肝側表層進展に関する検討

演者 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 知昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 篠原 敏也(手稲渓仁会病院 病理部)
抄録 【目的】中下部胆管癌の肝側表層進展を病理学的に検討し、進展様式の病理学的特徴を明らかにする。
【対象】2013年11月までに当センターにて診療した肝外胆管癌325例中PDを含む外科手術を行った中下部胆管癌97例(30%)を対象とした。年齢中央値は70(50-83)歳、男女比は75 : 22。術式は PD 72(74%)、PD+肝門板合併切除 23(24%)、HPD 2(2%)。表層進展に関しては、腫瘍高が1mm以上を乳頭状進展、1mm未満を平坦進展に分類し、更に進展の最肝側では上皮一層のみ腫瘍細胞が置換しているものを置換進展とした。
【検討項目】1.腫瘍の肉眼型、2.表層進展様式、3.進展距離
【結果】1.乳頭型 32(33%)、結節型 54(56%)、平坦型 11(11%)。2.表層進展は45例(46%)に認め、肉眼型別では乳頭型 17(55%)、結節型 24(44%)、平坦型 4(36%)であった。表層進展様式は乳頭状進展 14(31%)、平坦進展 38(69%)であり、肉眼型別には乳頭型で乳頭状進展 9(53%)、平坦進展 8(47%)、結節型で乳頭状進展 3(13%)、平坦進展 21(87%)、平坦型で乳頭状進展 2(50%)、平坦進展 2(50%)であった。最肝側で置換進展となっていたのは乳頭状進展 0、平坦進展 11(29%)であり、肉眼型別には乳頭型 0、結節型 11、平坦型 1であった。3.進展距離中央値は15(5-60)mmであり、進展様式別には乳頭状進展 18(5-58)mm、平坦進展 15(5-60)mmであった。進展距離が20mmを越える表層拡大進展を21例(22%)に認め、肉眼型別には乳頭型 7(22%)、結節型 10(19%)、平坦型 4(36%)であった。表層進展が肝門部まで及んでいたのは8例(18%)、左右肝管に及んでいたのは5例(11%)であった。表層進展による肝側断端陽性(HM2)は3例(7%)に認め、進展様式は乳頭状進展 1、平坦進展 2(いずれも最肝側部で置換進展)、手術術式はPD 1、PD+肝門板切除 2であった。
【結論】表層進展は中下部胆管癌の44%に認め、うち拡大進展は22%にみられた。乳頭型胆管癌では表層進展を53%、表層拡大進展を22%に認め、うち53%は乳頭状進展であった。結節型胆管癌では表層進展を44%、表層拡大進展を19%に認め、うち87%は平坦進展であり、29%は最肝側が置換進展であった。
索引用語 肝外胆管癌, 表層進展