セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
008:当院における急性胆嚢炎に対する胆嚢ドレナージ術の現状
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演者 |
江藤 和範(苫小牧市立病院 消化器内科) |
共同演者 |
小林 智絵(苫小牧市立病院 消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院 消化器内科), 山本 文泰(苫小牧市立病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】胆嚢結石による急性胆嚢炎に対しては胆嚢摘出術が第一選択とされているが,すべての施設で対応できるわけではない.その際には胆嚢ドレナージを検討するようガイドライン上は推奨されている.ドレナージのアプローチルートには,経皮的と内視鏡的があり,それぞれのメリットとデメリットがある.当院の方針としては,第一選択として内視鏡的アプローチを試みているが,その治療成績を検討し,有用性と問題点を明らかにすることを目的とした.【方法】2012年4月から2013年11月までに当院で施行したERCP 383例のうち急性胆嚢炎に対するドレナージ目的で施行された72例を対象とし,1) 背景,2) 抗血栓療法の有無,3) ドレナージ成功率およびその内訳,4) 手技不成功例に対する追加治療,5) カニュレーション後の手技時間,6) 偶発症,7) 転帰について検討を行った.【結果】1) 年齢中央値は74歳(40-94),男性 29(40%),胆石性胆嚢炎が70例(97%),総胆管結石合併例が 8例(11%)であった.2) 抗血栓療法は17例(24%)に施行されており,1剤のみが11例,2剤併用が6例であった.3) 成功率は51/72(71%)であり,ENGBD 40/61,EGBS 10/10,EUS-GBS 1/1であり,全例で48時間以内の症状改善・解熱を得ることができた.4) PTGBD 14/19例(74%),PTGBA 1/19(5%),保存的加療4/19(21%)であった.5) 手技時間中央値は24分(4-79)であった.6) 自己抜去 5例,胆嚢管損傷 3例,後出血 2例,膵炎・術中出血・Sat低下・ステント逸脱がそれぞれ1例ずつであった.7) 胆摘 40例,EGBS 17例(開存期間中央値 133日(46-251)),経過観察 9例,PTGBD 3例,死亡 2例,EUS-GBS 1例であった.【結語】内視鏡的ドレナージは,治療効果も高く,治療効果内瘻化も可能であることから有用な手技であると考えられるが,成功率が低く,適応症例の選別が必要と考えられた. |
索引用語 |
急性胆嚢炎, ドレナージ |