セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 104:癌性疼痛に対するフェノールグリセリンを用いたEUSガイド下腹腔神経叢ブロック術の検討 |
演者 | 石渡 裕俊(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
共同演者 | 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 小野 道洋(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 佐藤 勉(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 佐藤 康史(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 瀧本 理修(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 小船 雅義(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 | 【目的】癌性疼痛に対するEUSガイド下腹腔神経叢ブロック術(EUS-CPN)には、エタノールが用いられ、有効率は46~89%、持続期間は12週程度とされている。除痛効果を十分得るためには、腹腔動脈幹周囲に薬液を確実に注入することが重要であるが、術後のCTからは、予想以上に拡散している事を経験する。そこで、神経破壊薬であるフェノール液にグリセリンを混合し粘度を増すことにより薬液を目的部位に停滞させ、EUS-CPNに応用する方法を考案した。【方法】安全性と薬液集積を評価するステップ1と、治療効果を評価するステップ2の2段階の試験デザインとした。フェノール液は7%で固定し、ステップ1は(1)グリセリン0% 3例、(2)グリセリン30% 3例、(3)グリセリン60% 3例へステップアップし、有害事象の発生頻度と、薬液集積を評価し、至適なグリセリン濃度を決定し、ステップ2へすすむ。ステップ2では、至適濃度で7例の追加を行い、同濃度で行ったステップ1の3例とあわせて(計10例)、除痛効果の評価を行った。CPNの適応はNRS(Numerical rating scale)4以上の癌性疼痛とした。フェノール液にはヨード造影剤を含有させ、術後にCTを撮影し薬液の集積範囲を評価した。EUS-CPNはcentral methodを用いた。除痛効果は1週間後にNRSが3以下の場合に有効、1以下の場合を著効とした。【成績】2011年5月から2013年9月までに16例の切除不能膵胆道癌患者にEUS-CPNを施行した。ステップ1の9例では、全例で重篤な有害事象は認めなかった。集積範囲の評価では、明らかに、グリセリン60%で著明な腹腔動脈根部周囲への集積がみられた。ステップ2は、グリセリン60%を用い、有効は8例(80%)、著効は4例(40%)にみられた。【結論】60%グリセリンを含有するフェノールグリセリン液で、腹腔動脈幹周囲に集積させることが可能であり、高い有効率を得ることが可能であった。 |
索引用語 | 癌性疼痛, EUS-CPN |