| セッション情報 |
合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」
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| タイトル |
W1-1：機能性ディスペプシアの病態診断および治療選択における飲水超音波検査の有用性
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| 演者 |
工藤 俊彦（北海道大学病院光学医療診療部DELIMITER市立札幌病院消化器内科） |
| 共同演者 |
小野 尚子（北海道大学病院光学医療診療部）, 間部 克裕（北海道大学病院光学医療診療部）, 加藤 元嗣（北海道大学病院光学医療診療部）, 西川 秀司（市立札幌病院消化器内科）, 西田 睦（北海道大学病院検査・輸血部）, 坂本 直哉（北海道大学病院消化器内科） |
| 抄録 |
【目的】機能性ディスペプシア（functional dyspepsia、以下FD）の病態診断として用いられる従来の診断法は実臨床では困難である。また、FD治療は経験的に症状から治療選択がなされている。我々が考案した飲水超音波検査は、等間隔に飲水負荷を与えながら胃穹窿部の断面積を計測し、同時に自覚症状を聴取することで、近位胃拡張能、胃排出能ならびに胃知覚を評価することが可能であり、低侵襲で短時間に施行できる利点を有している。そこで我々は、FD患者を飲水超音波検査の結果によって病態診断を行い、病態に応じた薬物治療の効果を検討した。【方法】北大病院でRomeIII診断基準によりFDと診断された137例（男28例、女性109例、平均年齢50.7歳）のFD患者（うちoverlap症例48例）に対し飲水超音波検査を施行した。検査結果より、FDの主たる病態を近位胃拡張障害、胃排出遅延、知覚異常、異常なしの4群に分類した。治療に用いた薬物は酸分泌抑制薬、消化管運動改善薬、抗うつ薬、その他に分類し、各群における有効性について検討した。【結果】137例のFD患者に飲水超音波検査を施行したところ、近位胃拡張障害群、胃排出遅延群、知覚異常群、異常なし群と診断された症例はそれぞれ16例(11.7%)、12例(8.8%)、65例(47.4%)、44例(32.1%)であった。それぞれの群の薬物治療の有効性を検討すると、酸分泌抑制薬は知覚異常群、近位胃拡張障害群、異常なし群で、消化管運動改善薬は近位胃拡張障害群、排出遅延群で有効性が高かった。また、胃食道逆流症状を有するoverlap症例では胃の知覚異常を示す症例が過半数を占め、消化管の知覚機能異常がその病態に関わっていることが示唆された。【結語】飲水超音波検査によりFDの病態診断が可能で、病態に応じた治療選択が可能であった。 |
| 索引用語 |
機能性ディスペプシア, 飲水超音波検査 |
