セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 178:当院における大腸ステント留置の経験 |
演者 | 岡和田 敦(函館市医師会病院 消化器内科) |
共同演者 | 山科 哲郎(函館市医師会病院 消化器内科), 熊谷 研一(函館市医師会病院 消化器内科), 金井 基錫(函館市医師会病院 外科 ), 室田 千晶(函館市医師会病院 外科 ), 金子 行宏(函館市医師会病院 外科 ), 高橋 弘(函館市医師会病院 外科 ), 本原 敏司(函館市医師会病院 外科 ), 市村 健(函館市医師会病院 放射線科) |
抄録 | 目的】2012年から保険収載の上で、大腸ステントが使用可能になった。当院でもイレウスで発症した閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置を導入し、これまで16例に留置した。その使用経験をもとに治療成績、有効性につき検討した。【方法】2012年5月以降当院で腸閉塞症状を有する大腸癌に対し大腸ステントを留置した16例を対象に、平均年齢、性別、閉塞部位、ステントの種類、ステント留置期間、経口摂取までの期間、合併症の有無、留置後の機転等につき検討した。【結果】16例の平均年齢は78.75歳(53歳~95歳)、男性8例/女性8例、閉塞部位は直腸5例、S状結腸9例、横行結腸1例、上行結腸1例。原発性大腸癌11例、術後再発4例、転移1例であった。ステント径は全て22mm、ボストン社製及びセンチュリー社製のステントが使用され、長さは狭窄部の長さに合わせて、12cmが7例、10cmが2例、9cmが3例、8cmが4例であった。留置時及び留置後の合併症はなく、ステント留置後は平均1.5日(1~3日)で経口摂取可能となった。Bridge to surgery留置は6例、1例が緊急手術となったが、手術までの待機期間は平均11.5日(3~20日)であった。Palliative therapy留置は10例で、4例は経過観察中、死亡例6例の平均留置期間140日(30~235日)であった。【結語】1.大腸ステント留置は、狭窄部をガイドワイヤーが通りさえすれば、留置手技自体は比較的容易で、安全な手技である。2.留置後早期から減圧効果は良好で、経肛門的イレウス管と比較するとその後の管理も容易であり、医療者側のメリットも大きく、かつ患者様のQOL改善が良好となる治療法である。3.ステント留置後も良好な減圧効果が認められない症例については、外科との連携を密にとりながら、その後の注意深い対応が必要である。 |
索引用語 | 大腸癌, ステント留置 |