セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 153:

自己免疫性重症肝炎の一症例

演者 加藤 大祐(苫小牧市立病院 消化器内科)
共同演者 小林 智絵(苫小牧市立病院 消化器内科), 八木 泰憲(苫小牧市立病院 消化器内科), 江藤 和範(苫小牧市立病院 消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院 消化器内科), 山本 文泰(苫小牧市立病院 消化器内科), 竿尾 光祐(苫小牧市立病院 病理診断科)
抄録 症例は40歳代、女性。平成25年5月ごろよりむくみを自覚した。6月に体重8kg増加し、7月下旬に当院初診、緊急入院となった。入院時採血ではPT、APTT測定不能であり、CTにて肝容積633mlと著名な肝萎縮を認め、急性肝不全と診断した。脳症は認めなかった。Child-Pugh分類12点、gradeC、MELDスコア19点であった。原因として血清IgG値が4239mg/dlと高値、抗核抗体1280倍と高値であり、自己免疫性肝炎が疑われた。AIHスコアは14点と疑診であった。入院後北大臓器移植診療部へ連絡し、肝移植の適応についてコンサルトした。予防的抗生剤投与、肝庇護剤、蛋白制限、利尿剤経静脈投与、FFP補充を行い、週に1回CTにて肝容積を確認したところ、徐々に肝容積の回復を認め、入院4週目に960mlまで回復した。またFFP補充を中止後PT40%以上が保たれるようになり、腹水もほぼ消失し、ご本人・ご家族より肝移植はしないとの希望があったため第46病日よりプレドニゾロン30mg内服を開始、利尿剤を経口投与へ変更した。その後PTは70%前後まで回復し、腹水増加なく、第57病日に肝生検を施行したところ、interface hepatitis、ロゼット形成を認め、AIHスコア18点となり、自己免疫性肝炎の確定診断へ至った。第72病日でChild-Pugh分類7点、gradeB、MELDスコア11点まで回復し、プレドニゾロンを漸減後に退院となった。現在も外来にて治療継続中である。自己免疫性肝炎、急性肝不全について若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 急性肝不全, 自己免疫性肝炎