セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
005:放射線化学療法後に根治切除が可能となったcStage IVb胆道癌症例の解析
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演者 |
伊東 竜哉(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科) |
共同演者 |
木村 康利(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科), 今村 将史(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科), 安田 尚美(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科), 沖田 憲司(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科), 信岡 隆幸(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科), 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 平田 公一(札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科) |
抄録 |
【背景と目的】高度進行胆道癌は、切除後早期に転移・再発を来たしやすく、長期生存例はまれである。術前診断がcStage III-IVaであってもfStage IVbとなることはしばしば経験し、術前診断と予後の向上が望まれる。臨床病期(cStage)IVb進行胆道癌症例に放射線化学療法を施行後に根治切除が可能となった症例を提示し、術前治療・管理について解析する。【対象と方法】2011-2012年に当科で加療した胆道悪性腫瘍は49例で、内訳は手術先行42例、放射線化学療法後の根治切除3例、非切除4例であった。臨床病理学的因子、前治療内容と術式、病理学的奏功程度を検討した。手術術式は、原則として治療前の進展程度に則して決定した。【結果】放射線化学療法後の根治切除3例の内訳は男性2例、女性1例、平均年齢62.3歳、疾患内訳は胆嚢癌2例、CCC 1例、臨床病期はいずれもcStage IVbであった(CCC; T2,N1/GBCA; T4,N2)。放射線化学療法として、全例にS1+RT(50.4Gy)を施行し、前後してGemcitabine+S1(3、6コース)、あるいはGemcitabine+Cisplatin(6コース)を施行した。前治療期間4-9ヶ月にわたってSD-PRを維持し、いずれの症例もダウンステージしたと診断し、根治切除を適応した。施行術式は、(拡大)肝右葉切除2例、PD+胆嚢床切除1例で、手術時間572-702分、術中出血量590-1100mlであった。なお、これらのうち1例では、肝予備能低下により、切除範囲の縮小を余儀なくされた。病理組織学的効果はEvans grade IIa/ IIb/ IV=1/1/1となり、全例でダウンステージが確認された。最終病理診断は、fStage 0(腫瘍細胞なし)/ II/ IVa=1/1/1例、全例でfCur Aとなった。同時期の手術先行42例では、fCurA/ B/ C/=22(52.4%)/ 12(28.6%)/ 8例(19.0%)であった。【まとめ】高度進行胆道癌に対し、術前に化学・放射線療法を組み合わせることで高い治療効果が得られる可能性が示唆された。 |
索引用語 |
胆道癌, 術前放射線化学療法 |