セッション情報 |
合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」
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タイトル |
025:総胆管結石に対してEUS-Rendezvous techniqueを用いて排石した1例
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演者 |
杉浦 諒(北見赤十字病院 消化器内科) |
共同演者 |
江平 宣起(北見赤十字病院 消化器内科), 大原 正嗣(北見赤十字病院 消化器内科), 宮本 秀一(北見赤十字病院 消化器内科), 水島 健(北見赤十字病院 消化器内科), 岩永 一郎(北見赤十字病院 消化器内科), 上林 実(北見赤十字病院 消化器内科) |
抄録 |
【症例】78歳,男性.【主訴】心窩部痛,発熱,悪寒戦慄.【現病歴】来院前日の朝に心窩部痛を自覚.夜に38~39℃の発熱,悪寒戦慄を認めた.症状は改善せず,来院当日の前医での採血で肝機能異常を認めたため当院紹介受診となった.造影CT検査で5mmの総胆管結石を認め,総胆管結石に伴う急性胆管炎の診断となった.ERCPを施行し排石を試みたものの,憩室内乳頭であり,また内視鏡と乳頭の適切な位置が保持できなかったために深部胆管挿管に難渋し,2回処置を施行したものの通常の経乳頭的胆管挿入は不能であった.また,肝内外胆管の拡張はなく,腹腔鏡下胆嚢摘出術があったため,経皮的胆道アプローチも不能であった.そこで,EUSを用いて経十二指腸経胆道的に順行性にカテーテルを挿入し,後方斜視鏡を用いて乳頭から突出させたカテーテルを把持し胆管内へのカニュレーション(EUS-Rendezvous technique)を行った.その後は定型的なESTを施行しバスケットカテーテルを使用して排石した.【考察】総胆管結石の治療として経乳頭的胆管挿入が不能な場合,経皮的処置や内視鏡を用いた経消化管経胆道ルートでの処置が必要となることがある.今回,経乳頭的胆管挿入が困難であり外科的手術も考えられたが,EUS-Rendezvous techniqueを用いて内視鏡的に排石した1例を経験したので報告する.EUS-Rendezvous techniqueは悪性腫瘍による経乳頭的胆管挿入困難例に使用され,拡張した胆管へのアプローチが多いが,本症例では胆管は拡張していないものの合併症もなく安全に処置を行えた. |
索引用語 |
総胆管結石, Rendezvous technique |