セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 128:TACE後、肉腫様変化を来し腹膜播種を伴った肝細胞癌の一例 |
演者 | 高橋 耕平(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野) |
共同演者 | 太田 雄(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 高添 愛(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 鈴木 裕子(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 須藤 隆次(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 今澤 雅子(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 山北 圭介(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 玉木 陽穂(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 北野 陽平(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 岡田 充巧(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 麻生 和信(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野), 羽田 勝計(旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野) |
抄録 | 《現病歴》2010年3月から、NASHの診断で経過観察していたところ2012年8月のCTで肝S7 33mm及びS2 12mm大の古典的HCCの出現を認めTACEを施行した。今回、肝S7及びS2に辺縁再発が疑われ、2013年8月23日精査加療目的に入院となった。《血液生化学検査》ALP 591 IU/l、AST 43 IU/l、ALT 32 IU/l、γGTP:74 U/l。肝予備能はChild-Pugh:Aで、肝炎ウイルスマーカーは陰性。腫瘍マーカーはAFP 296 ng/ml、L3 90.8%、PIVKA-II 29mAU/ml、CA19-9 67U/ml。《画像所見及び臨床経過》Dynamic CTでは肝S2治療部腹側に20mm大の腫瘤の出現を認め、内部のごく一部にリピオドールが残存。dynamic studyでは辺縁部のみわずかに造影される乏血性腫瘤として描出された。また肝S7治療部腹側には22mm大の辺縁再発が認められた。EOB-MRIではT1低信号、T2高信号、拡散強調で著明な高信号を示し、辺縁のみ造影され、肝細胞相では欠損像を呈していた。肝S2病変は短期間で急速に増大する乏血性腫瘤であり肉腫様肝癌が疑われ、遠隔転移検索のためFDG-PETを施行。肝S2病変に一致し強いFDGの集積を認め肉腫に矛盾しない所見であった。また右傍結腸溝の26mm大の不整形結節にFDG集積が認められ腹膜播種が疑われた。以前の画像を見返すと2013年2月より存在し、6月の時点では明らかな増大が認められなかった事から、腹膜播種としては非典型的な所見であった。内科的治療は困難であり肝癌破裂のリスクもある事から外科的切除を施行。術中所見では原発巣は腫瘍自体が露出し横隔膜及び大網で覆われていたが剥離は容易であった。また腹腔内右臓側腹膜には扁平隆起型の播種病変が認められた。病理では一部に短紡錘形細胞と索状配列を認め肝癌の肉腫様変化が疑われた。《考察》肉腫様肝癌は肝癌剖検例の3.9%、外科切除例の1.9%にみられ、TACEやPEIT、肝動注化学療法など前治療による変化が指摘されている。本例ではTACE後の肉腫様変化が疑われ、明らかな破裂の所見や腹水を認めず経時的に腹膜播種を観察出来た稀な症例と考え報告する。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 肉腫様肝癌 |