セッション情報 一般演題

タイトル 167:

胆石症の術前検査で発見された虫垂粘液嚢胞腺腫の一例報告

演者 三橋  洋介(恵佑会札幌病院 外科)
共同演者 那須 裕也(恵佑会札幌病院 外科), 澄川 宗祐(恵佑会札幌病院 外科), 久須美 貴哉(恵佑会札幌病院 外科), 坂下 啓太(恵佑会札幌病院 外科), 芦立 嘉智(恵佑会札幌病院 外科), 吉川 智宏(恵佑会札幌病院 外科), 木ノ下 義宏(恵佑会札幌病院 外科), 西田 靖仙(恵佑会札幌病院 外科), 細川 正夫(恵佑会札幌病院 外科), 大内 知之(恵佑会札幌病院 病理診断科), 武内 利直(恵佑会札幌病院 病理診断科)
抄録 【症例】68歳女性【現病歴】当患者は心窩部痛主訴に他院受診し、腹部超音波検査で胆石症の疑いとなり、精査加療目的に当院を紹介受診された。CT検査で胆石の他に右下腹部の90mm大の腫瘤を認められた。周囲リンパ節腫大なし、腹水なし。下部消化管内視鏡検査では異常所見なし。虫垂口も異常所見なし。【既往歴】平成15年、尿路結石のため体外衝撃波結石破砕治療施行。平成22年、甲状腺癌のため甲状腺全摘術施行【経過】胆石症および虫垂嚢腫もしくは卵巣腫瘍の診断。腹腔鏡下胆のう切除施行し、同時に右下腹部の観察を行った。虫垂が90mm大の白色やや黄色がかった紡錘状に緊満しており、一部壁の突出が見られるが穿孔なし。腹腔内に腹水貯留なし。腫大リンパ節なし。卵巣は異常所見なし。嚢腫を穿破させること無く自動吻合機用いて盲腸の部分切除を施行した。術後経過問題なく、術後4日目に退院となった。術後病理で虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された。【考察】当患者は下腹部の症状は無かったが、胆石症の検査で偶然に虫垂の嚢胞病変を発見された。3年前に当院での甲状腺の手術を受ける前に行われた画像検査では異常所見は認められていない。虫垂粘液嚢胞病変は穿孔により腹膜偽粘液腫となることが報告されているため、早急に穿孔させること無く摘出することが重要である。虫垂粘液腫の手術方法に関しては、近年、腹腔鏡での治療症例報告もみられている。当症例も画像所見および腹腔内の所見より穿孔に十分に気をつけた丁寧な手技により、腹腔鏡での治療は可能であると考えた。また、虫垂粘液種は卵巣への転移も報告もあるため、今後も外来で定期的に画像検査を含めた経過観察を行っていく予定である。【結語】胆石症の術前検査で偶然発見された虫垂粘液嚢胞腺腫に対して、腹腔鏡での同時切除を施行した一例を報告する。
索引用語 虫垂粘液嚢胞腺腫, 腹腔鏡手術