セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 159:十二指腸下行脚原発の神経内分泌細胞癌の1例 |
演者 | 武藤 瑞恵(遠軽厚生病院 内科) |
共同演者 | 杉山 浩平(遠軽厚生病院 内科), 武藤 桃太郎(遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(遠軽厚生病院 内科), 升田 晃生(遠軽厚生病院 外科), 高橋 裕之(遠軽厚生病院 外科), 萩原 正弘(遠軽厚生病院 外科), 青木 貴徳(遠軽厚生病院 外科), 橋本 道紀(遠軽厚生病院 外科), 稲葉 聡(遠軽厚生病院 外科), 矢吹 英彦(遠軽厚生病院 外科) |
抄録 | 症例は78歳、男性。平成25年5月に心窩部痛を主訴に当科外来を受診した。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、十二指腸下行脚に半周性の2型腫瘍を認め、生検でadenocarcinoma, tub2~por の結果であった。CT検査で下行脚の璧肥厚と膵臓への腫瘍浸潤を疑う所見、十二指腸周囲のリンパ節転移を認めたが、肺転移、肝転移は認めなかった。低緊張性十二指腸造影検査では下行脚に約5cm程度の半周性の2型腫瘍を認めた。経過中に閉塞性黄疸が出現したため、ERCPを施行したところ、総胆管に腫瘍の圧排による狭窄を認めたため、胆管ステントを留置した。その際の観察ではVater乳頭部に病変は及んでいなかった。以上より原発性十二指腸癌stageIIIAの術前診断で、同年6月に亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行った。病理組織像は十二指腸粘膜~筋層、漿膜下組織に異型の乏しい腫瘍細胞がリボン状、胞巣状、索状、腺管状構造を示し、免疫染色でクロモグラニンA(+)、MIB-1 index 60%、シナプトフィジン(+)、CD56(-)、CDX-2(-)の結果であった。以上より最終診断は十二指腸神経内分泌細胞癌であった。病理標本上でもVater乳頭部に異常を認めなかった。十二指腸の神経内分泌細胞癌は乳頭部から発生した症例報告は散見されるが、乳頭部以外から発生した症例は極めて稀である。消化管内分泌細胞癌は、粘膜内管状腺癌が先行して、その深層に発生する場合が多いとされており、本症例のように生検部位が腺癌であると、生検のみでは確定診断が困難となる。本邦では稀なvater乳頭部以外から発生した十二指腸神経内分泌細胞癌を経験したので報告する。 |
索引用語 | 十二指腸, 神経内分泌細胞癌 |