セッション情報 合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」

タイトル W1-4:

当院におけるダブルバルーン式内視鏡を用いた術後腸管に対するERCP関連手技の成績

演者 藤田 朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター)
共同演者 小松 悠弥(小樽掖済会病院 消化器病センター), 北岡 慶介(小樽掖済会病院 消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院 消化器病センター), 高梨 訓博(小樽掖済会病院 消化器病センター), 勝木 伸一(小樽掖済会病院 消化器病センター), 林 毅(札幌医科大学第四内科), 加藤 淳二(札幌医科大学第四内科)
抄録 【目的】当院では2004年より,ダブルバルーン式小腸内視鏡( EN-450P5, T5, EC450-BI5・EI-530B )を導入している.その内BI5・EI-530Bは近年,術後再建腸管に対するERCP関連手技の有効性が報告されている.今回当院での治療成績を前期(2005~2009年)後期(2010年~2013年11月)に分けて検討したので報告する.【方法】対象は,2004年11月から2013年11月までに当院で施行した,DBE 882回(経口302回,経肛門580回)のうち,ダブルバルーン式内視鏡を用いた術後腸管に対するERCP関連手技を行った症例,前期22症例22回(2005~2009年・総胆管結石10回,腫瘍または術後閉塞性黄疸7回,膵炎に対する造影・治療手技2回,造影を目的とした3回)と後期11症例22回(2010年~2013年11月・総胆管結石16回,腫瘍または術後閉塞性黄疸5回,造影を目的とした1回).【成績】胆管を目的としたERC関連治療手技のうち前期に存在した腫瘍による腸管閉塞で内視鏡挿入が不可能であった2症例を除くと,目的部位到達率 100%(前期 100% 15/15, 後期 100% 22/22),造影成功率91.4%(前期80% 12/15,後期100% 22/22),ERC関連手技成功率79.4%(前期 53.3% 8/15,後期 100% 21/21)と後期で手技の向上が認められた.ERC関連手技成功率が不可能であった前期の7症例中総胆管結石の4症例が手術・腫瘍による閉塞性黄疸の3症例がPTCDとなっていた.膵管を目的とした前期5症例の目的部位到達率80%(4/5),造影成功率 60% (3/5),関連手技成功率50% (1/2)であった. 【結論】当院におけるダブルバルーン式内視鏡(EC450-BI5・EI-530B)を用いた術後腸管に対するERC関連手技の治療成績は,前期・後期ともに目的部位到達率・造影成功率は良好であった. ERC関連手技成功率は前期には高くなかったものの,後期では目的処置成功率は向上し,手技が安定したものと思われた.また,膵管を目的とした手技は胆管を目的とするより難易度が高かった.
索引用語 ダブルバルーン式小腸内視鏡, 術後再建腸管