セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 001:粘膜下腫瘍様の形態を呈した胆嚢腺癌の1例 |
演者 | 藤林 周吾(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 後藤 拓磨(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 笹島 順平(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 内海 辰哉(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 坂谷 慧(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 田中 一之(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 堂腰 達矢(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 安藤 勝祥(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 上野 伸展(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 稲場 勇平(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 伊藤 貴博(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 盛一 健太郎(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤谷 幹浩(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 及川 賢輔(旭川医科大学病院 病理部), 三代川 斉之(旭川医科大学病院 病理部), 高後 裕(旭川医科大学病院 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 症例は80歳代女性.昭和61年より胃粘膜下腫瘍にて当科通院中であった.平成21年のUS・CTにて胆嚢体部に軽度壁肥厚を認め,以後定期的に経過観察を行っていた.腫瘍マーカーはNSEの軽度高値を認めたが,その後陰性化した.しかしながら胆嚢体部の壁肥厚は徐々に増大傾向を示し,平成24年1月のCTにてφ12.7×7mmの漸増性造影効果を伴う低吸収腫瘤を呈したため,更なる精査を行った.EUSでは,立ち上がりなだらかで辺縁平滑,内部均一な低エコー腫瘤を認め,一部に外側高エコー層の菲薄化が示唆された.同部位はMRCP拡散強調画像で高信号を呈さず,PETのMaxSUV値も1.3→1.2と軽度高値を示すのみであった.以上より,内分泌腫瘍や限局型の胆嚢腺筋症(ADM)などを疑ったが,増大傾向および外側高エコー層の菲薄化を認めることから悪性腫瘍を否定しきれず,診断的意義も兼ねて腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.病理組織学的所見では,粘膜下を主座とする深達度SSの中分化型管状腺癌が胆嚢内腔に一部露出しており,最終診断はfStageIIの胆嚢腺癌となった.なお,明らかなRokitansky-Aschoff sinus(RAS)や壁在結石は認めず,ADMの合併は確認し得なかった. 粘膜下腫瘍様の形態を呈する胆嚢悪性腫瘍の報告は,内分泌腺癌,悪性リンパ腫,転移などが散見されるのみで,管状腺癌の報告は19例と少ない.特に,RASを合併しない粘膜下腫瘍様の管状腺癌は非常に稀であることから,その画像所見および臨床病理学的特徴について,文献学的考察を加え報告した. |
索引用語 | 胆嚢腺癌, 粘膜下腫瘍 |