セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
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タイトル |
134:レボカルニチン製剤が有効であったB型肝硬変起因の難治性高アンモニア血症の1例
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演者 |
佐々木 貴弘(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 |
澤田 康司(旭川医科大学 臨床消化器・肝臓学診療連携講座), 中嶋 駿介(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 阿部 真美(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 大竹 孝明(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野DELIMITER旭川医科大学 臨床消化器・肝臓学診療連携講座), 藤谷 幹浩(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 高後 裕(旭川医科大学 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 |
【症例】50歳代女性。【主訴】倦怠感。【現病歴】2006年5月、検診で肝機能異常を指摘され当科初診、B型肝硬変と診断され、核酸アナログ製剤治療の適応であったが通院を自己中断していた。2011年4月に倦怠感が増強し近医受診。肝機能異常を再度指摘され当科再診となった。受診時肝性脳症は認めなかったが、Alb 2.7 g/dL、T-Bil 1.1 mg/dL、ALT 294 IU/L、NH3 131 µg/dL、HBV-DNA 7.5 Logcopies/mLであった。エンテカビルと共に分岐鎖アミノ酸製剤、合成2糖類、腸管非吸収性抗生剤を投与した。ALTは速やかに低下したが、高アンモニア血症が持続し、2012年2月には羽ばたき振戦も認めたため、頻回の肝不全用アミノ酸製剤の点滴が必要となった。しかし高アンモニア血症は持続するためレボカルニチン(LC)投与を開始したところアンモニアの低下、肝性脳症の改善を認め肝不全用アミノ酸製剤の点滴も不要となり現在に至る。【考察】2003年、Malaguarneraは肝性脳症の高アンモニア血症とカルニチン欠乏との関連性からLCの有効性を報告した。本邦においては2011年3月からLCの適応が「カルニチン欠乏症」となり肝性脳症を含めた種々のカルニチン欠乏症に適応が拡大されたが、肝性脳症に対する明確な適応基準、投与法、評価法はまだ定まっていない。今回、難治性高アンモニア血症・肝性脳症を呈するB型肝硬変症例に対してLCの投与が有効であった1例を経験したので報告する。難治性の高アンモニア血症・肝性脳症に対してLCは治療オプションになることが考えられた。 |
索引用語 |
レボカルニチン, 高アンモニア血症 |