セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 021:超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)が術前診断に有用であった十二指腸癌の1例 |
演者 | 林 健児(NTT東日本札幌病院 消化器内科) |
共同演者 | 羽場 真(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 川本 泰之(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 山田 秀久(NTT東日本札幌病院 外科), 宮坂 祐司(NTT東日本札幌病院 外科), 高桑 康成(NTT東日本札幌病院 臨床検査科) |
抄録 | 症例は60歳代,男性.2013年7月,胃もたれと呑酸を訴えて当科外来を受診し,精査目的に入院した.上部消化管内視鏡検査では胃内に残渣が貯留し,十二指腸球部に高度狭窄を認め,細径スコープを用いても通過が困難であった.狭窄の口側粘膜には化生性変化はみられるものの,びらんや潰瘍を呈さず,狭窄の原因は不明であった.狭窄部より計6回生検を施行したがいずれも炎症細胞浸潤を呈した十二指腸粘膜であり,悪性所見は認められなかった.Convex型超音波内視鏡 (GF-UCT240-AL5; Olympus medical systems) で狭窄部を観察すると,著明に肥厚した十二指腸壁がみられた.壁のエコーレベルは比較的均一であったが,一部に低エコー化した部分を認めた.同部に対して19G針 (SonoTip® Pro Control; Medi-Globe) を用いてEUS-FNAを施行したところ,組織検体において印鑑細胞癌や低分化腺癌の増殖を認めたことより,十二指腸癌と診断した.腹部CTで周囲臓器への腫瘍浸潤の所見や遠隔転移は認められなかったため,幽門側胃切除術を行った.切除標本の肉眼所見では十二指腸球部に主座を置く2型腫瘍を認め,他臓器への浸潤はみられなかった.組織型は印鑑細胞癌(sig)、低分化型腺癌(por)で粘膜下の壁内浸潤が広くみられた.深達度はSSでリンパ節転移を認めず,根治切除が可能あった.本症例のように消化管壁肥厚および消化管狭窄呈しする病変に対し,EUS-FNAを施行することで診断が可能な場合ある.十分な内視鏡観察ができず内視鏡下生検で診断がつかない場合は,施行を考慮すべき検査といえる. |
索引用語 | 十二指腸癌, EUS-FNA |