セッション情報 |
一般演題(研修医(卒後2年迄))
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タイトル |
151:後腹膜浸潤による切除不能局所進行下行結腸癌に対しFOLFOX療法によりcoversion therapyを施行し得た一症例
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演者 |
渡部 真裕子(日鋼記念病院消化器センター) |
共同演者 |
横山 和典(日鋼記念病院消化器センター), 川村 雄剛(日鋼記念病院消化器センター), 加藤 一樹(日鋼記念病院消化器センター), 根間 洋明(日鋼記念病院消化器センター), 蔵谷 勇樹(日鋼記念病院消化器センター), 舩越 徹(日鋼記念病院消化器センター), 喜納 政哉(日鋼記念病院消化器センター), 高田 譲二(日鋼記念病院消化器センター), 浜田 弘巳(日鋼記念病院消化器センター), 藤岡 保範(日鋼記念病院病理診断科) |
抄録 |
近年の切除不能進行大腸癌に対する化学療法の進歩によりconversion therapyの達成率が向上している。特に遠隔転移を伴わない局所進行大腸癌はstage IIもしくはstage IIIあることから積極的な治療介入が望ましいとされる。今回我々はconversion therapyを達成し得た局所進行下行結腸癌の一症例を経験したので報告する。症例は64歳、男性。出張先で腹痛を自覚して前医を受診した。右水腎症に対する尿管ステント留置後に開腹術が施行されたが、原発巣はTreitz靱帯付近で小腸を巻き込むように後腹膜に浸潤しており、胃空腸バイパス術と人工肛門造設術が施行された。その後の治療目的に当科に紹介された。生検組織の検討でk-ras変異陽性と診断されたためにFOLFOX療法を開始した。経過中に高アンモニア血症による肝性脳症を合併したが、補液の調整と慎重な観察により治療を継続した。11コース施行した時点の評価で原発部位の著明な縮小、尿管狭窄所見の軽快、PETによる遠隔転移陰性を確認できたためにconversion therapyを施行した。手術所見は尿管と後腹膜以外には転移、浸潤を認めず、後腹膜からの剥離は容易であった。切除病理組織学的には、mucinous caricinoma, se, ly0, v0, pN0, pPM0, pDM0, pRM1, stage II, CurBと診断された。術後化学療法は施行せずに慎重に経過観察をしている。切除不能局所進行大腸癌に対する適切な治療法や切除のタイミング、評価法については未だ未解明な点が多く、更なる研究が待たれる |
索引用語 |
大腸癌, conversion therapy |