セッション情報 合同シンポジウム「全身性疾患に伴う消化器疾患」

タイトル S1-1:

当科で経験した消化管アミロイドーシスの内視鏡像と生検陽性率

演者 村上 佳世(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座)
共同演者 山下 健太郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 東出 侑子(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 平山 大輔(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 我妻 康平(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 一色 裕之(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 小野寺 馨(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 山本 英一郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 能正 勝彦(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 有村 佳昭(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 林 敏昭(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 石田 禎夫(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 篠村 恭久(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座)
抄録 【背景】全身性アミロイドーシスにおいて消化管はアミロイド沈着の好発部位である.消化管アミロイドーシスは内視鏡的生検により診断されるが,時に典型的な内視鏡像に乏しく診断に苦慮することがある.【目的】消化管アミロイドーシスの内視鏡所見と生検陽性率について検討する.【対象と方法】2005年9月から2013年10月までに当科で内視鏡的生検により消化管アミロイドーシスと診断し得た32例(23~74歳,男女比19:13)を対象とした.そのうち,上部消化管病変を27例,下部消化管病変を10例に認めた(重複あり).それぞれ,1)病型,2)内視鏡所見,3)生検部位と個数,4)生検陽性率(検体あたり)について検討した.【結果】上部消化管病変(n=27):1)病型 AL/AA/不明 20/3/4.2)内視鏡所見 所見なし/所見あり(発赤陥凹,浮腫,易出血性,褪色陥凹,凹凸不整,顆粒状隆起,黄色,潰瘍) 11/16.3)生検個数 胃 0-4(中央値1),十二指腸 0-3(中央値1).4)生検陽性率 胃 69%(36/52検体),十二指腸 82%(28/34検体).下部消化管病変(n=10):1)病型 AL/AA 10/0.2)内視鏡所見 所見なし/所見あり(易出血性,血管透見不良,斑状発赤,浮腫,血腫) 4/6.3)生検個数 回腸 0-1(中央値1),結腸 0-7(中央値 1),直腸 1-3(中央値 1).4)生検陽性率 回腸 40%(2/5検体),結腸 81%(17/21検体),直腸 87%(13/15検体).【まとめ】上部消化管・下部消化管ともに易出血性,発赤,浮腫など様々な所見を呈する症例を認めたが,一方で異常所見を指摘できない症例も多く認めた.生検陽性率については,これまでの報告と同様に十二指腸・直腸で高い傾向を認めた.消化管アミロイドーシスでは易出血性のため生検後出血が問題となることがあり,適正な生検部位の選択の他,生検個数についても今後の検討が必要と考える.
索引用語 アミロイドーシス, 生検