セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 023:

遺伝性消化管ポリポーシス症候群に対する小腸病変の検討と検索ツールとしての小腸カプセル内視鏡検査の有用性

演者 石川 和真(札幌医科大学 腫瘍・血液内科)
共同演者 佐藤 康史(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 大須賀 崇裕(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 平川 昌宏(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 大沼 啓之(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 二階堂 ともみ(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 小船 雅義(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科)
抄録 【目的】遺伝性消化管ポリポーシス症候群は遺伝性に腫瘍性(Familial adenomatous polyposis(FAP)、ガードナー症候群など)、または、過誤腫性(Peutz-Jeghers 症候群(PJS)、Cowden 病など)の多発性ポリープを来たす疾患であり、大腸のみならず、十二指腸以下の空腸・回腸においてもポリープや癌が発生することが知られている。しかし、小腸ポリープの頻度や臨床的意義についてはこれまで不明とされてきた。近年、本疾患に対し小腸カプセル内視鏡(CE)による検索が行われる機会が増えているが、その有用性については、controversialである。また、本邦ではまとまった報告がなくその実態は不明な点が多い。そこで今回我々は、当科で遺伝性消化管ポリポーシスと診断された患者のうちCEを施行得た16例を対象として、小腸病変の検討を行い、CEの有用性について検討を行った。【方法】16例の遺伝性消化管ポリポーシス症候群患者(FAP12例、ガードナー症候群1例、PJS2例、Cowden病1例)に対してCEを施行し、場所、数、十二指腸ポリープの有無等を検討した。また、DBEを併用した10例で、CEと検索ポリープ個数の比較検討を行い、CEの有用性を検討した。【結果】12例(75%)で小腸ポリープを認めた。分布としては、空腸が11例、回腸が8例であった。5mmより大きなポリープを認めた症例は3例(19%)であり、いずれも空腸に存在した。また、十二指腸ポリープを有する症例でその頻度が高い傾向がみられた。なお、ガードナー症候群の1例において、小腸癌を認めた。DBEとの比較では、DBEの検出力がより優れている傾向であったが、症例数が少なく、さらなる検討が必要と考えられた。【結語】遺伝性消化管ポリポーシス症候群に対するスクーニング検査としてCEは有用と考えられた。
索引用語 遺伝性消化管ポリポーシス症候群, カプセル内視鏡