セッション情報 |
合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」
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タイトル |
091:Bモードで同定困難な肝癌に対するRFAの治療支援について-造影超音波か?Navigationか?-
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演者 |
松居 剛志(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 |
辻 邦彦(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 永井 一正(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 山崎 大(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 姜 貞憲(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
抄録 |
【背景及び目的】超音波造影剤(CEUS)やNavigation system(Nav)が開発・導入されたことにより、Bモードでは同定困難な肝癌(HCC)に対してもRFAが可能となった。 しかし、両者の使い分けについて明確な基準は存在しない。当センターではNav導入後、Bモードで病変の同定が困難な病変に対してはNav下RFAを積極的に施行している。今回、その成績についてCEUS下で施行した症例とretrospectiveに比較検討した。【対象】Sonazoid®が使用可能となった2007年1月からNavが導入された2009年12月までにCEUS下RFAを施行したHCC59病変(CEUS群)と、Nav導入後にNav下RFAを施行したHCC46病変(以下、Nav群)。局所再発を検討するために両群ともにRFA後、1年以上経過観察し得た例を対象とした。【検討項目】1.両群の臨床的背景、2.治療セッション数、3.局所再発率。【結果】1.CEUS群とNav群で平均年齢は69 : 71歳、肝予備能でChild-Pugh A/Bは 34/25 : 21/25、肝癌の平均腫瘍径は10.9 : 10.3mm、RFAの既治療歴は45/59 : 33/46といずれも有意な差は認められなかった。病変の占拠部位は、S1/S2,3/S4/S5,8/S6,7がそれぞれ1/13/7/26/12 : 1/3/8/21/13と、Nav群で左葉外側区の病変が有意に少なかった(P=0.028)。2.複数回の治療セッションを要した例数は両群で2/59 : 6/46と有意でないもののCEUS群でやや少ない傾向がみられた(P=0.0643)。3.局所再発率に関しても7/59 : 12/46と両群間で有意ではないものの、CEUS群が低い傾向にあった(P=0.060)。【まとめ及び考察】CEUS下RFAはNav下RFAに比し治療セッション数がやや少なく、局所再発率が低い傾向にあった。これは、Navを用いて病変を同定しえた場合でも、病変の範囲境界が正確にとらえきれていない可能性があると考えられた。一方、CEUSは病変が同定出来た場合は病変の範囲境界を正確に把握することが可能であることより、Navを用いて病変が同定しえた場合でも、病変の範囲境界が明瞭でない場合には、CEUSを併用してより確実なRFAを施行すべきと思われた。 |
索引用語 |
造影超音波, ナビゲーション |