セッション情報 一般演題

タイトル 105:

Peri-pancreatic fluid collection (PFC) に対しEUS下ドレナージを施行した2例 -内視鏡的ネクロゼクトミー (EN) を想定したステント選択、12mm径SEMS留置の可能性-

演者 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科)
共同演者 小野 道洋(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 石渡 裕俊(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 櫻田 晃(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 三浦 翔吾(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 康史(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 小船 雅義(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科)
抄録 PFCに対するENに適した大口径SEMSが開発されているが、本邦では使用できない。今回12mm径の胆道用SEMSを代用し、細径内視鏡をPFCに挿入した2例を経験したので報告する。【症例1】60歳代、女性。膵中央切除の20月後に発熱、嘔吐を生じ13年8月に入院となった。CTで膵断端に接する10cmのPFCが胃前庭部を圧排し、臨床兆候から感染合併が疑われたため、経胃的にEUS下ドレナージを施行した。EUSでPFC内に小結石の存在が疑われ、穿刺液は血性粘稠であったため12x40mmのc-SEMSを留置した。近位端が胃壁内に迷入したため同一SEMSの追加留置と経鼻ドレナージを行った。翌日のCTでPFCの縮小が確認された。3日後にPFC内に細径内視鏡を挿入したところ、小結石が残存したため洗浄と吸引で胃への排出操作を行った。1月間、瘻孔形成を待ちSEMSを抜去し両端pig tail型プラスチックステント (PS)を留置した。3ヶ月後のCTで再発はみられていない。【症例2】60歳代、男性。13年8月、吐下血にて前医に緊急入院となり、慢性膵炎急性増悪に伴う膵仮性動脈瘤破裂の診断で脾動脈TAEが施行され止血された。一時軽快に向かうも9月になり貧血の進行、PFCの増大、敗血症を生じ当科転院となった。CTで膵-胃間に13cmのPFCがあり、感染巣と考えられ、経胃的にEUS下ドレナージを施行した。穿刺時の吸引が不能であったため12x40mmのc-SEMSを留置した。胃酸逆流による出血性食道潰瘍があり経鼻ドレナージを実施しなかった。消炎がなされず、翌日に経皮的に12Fr.ドレーンを2本留置し洗浄を開始した。解熱をまって6日後に細径内視鏡をPFC内に挿入すると血腫が充満しており、5Fr.スネア、内視鏡操作で血腫の分断と排出操作を行った。8, 20日後に同様の操作を追加し、27日後にはPFCの消退を得た。1月後にPSへ交換予定である。【まとめ】2例とも良好な経過であり、PFCに対する12mm径c-SEMS留置は有用な治療法と考える。
索引用語 EUS下嚢胞ドレナージ, 膵膿瘍