セッション情報 |
合同ワークショップ「消化器疾患における診断治療困難例への対処」
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タイトル |
W1-6:手術予定急性胆嚢炎症例に対するENGBD後wire guided ETGBS留置術の有用性に関する検討
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演者 |
柳川 伸幸(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 内視鏡センターDELIMITERJA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科) |
共同演者 |
河本 徹(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 藤永 明裕(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 高橋 慶太郎(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 佐藤 智信(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 後藤 充(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 斎藤 義徳(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 折居 裕(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 柴田 好(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科) |
抄録 |
【背景】Tokyo Guideline 2013に依れば,中等症の急性胆嚢炎には,保存的治療後に早期のLCを含む緊急手術を,その中で保存的治療に反応しない症例や重症症例には胆嚢ドレナージ術が推奨されている.しかし,PTGBD施行後には,入院中の外出や一時的な退院が困難なこと,またDPCを採用している施設では,診療報酬上,同一疾患では退院まで長期間を要す入院を避ける傾向にあるのが一般的である.【目的】今後手術が必要となる中等症または重症急性胆嚢炎症例に対し,一時的な胆嚢ドレナージとしてENGBD施行後wire guided ETGBS留置術の有用性を明らかにする.【対象と方法】当院で今後胆摘術を予定していた中等症,重症胆嚢炎症例で,胆嚢ドレナージのためにENGBDが留置されたENGBD群4例(男性3例,女性1例)とENGBD施行後wire guide下にETGBSが留置されたETGBS併用群4例(男性4例)を対象とした. ETGBS併用群では,最初に留置されたNBチューブの中にガイドワイヤーを挿入して,その後NBのみを抜去し,残ったガイドワイヤーをJFに通して,ワイヤーに沿って下降脚までスコープを挿入し,ワイヤーに沿わせて胆嚢内にEBSを留置した.【結果】2群間の患者背景に,男女差以外,有意な相違は認められなかった.NBチューブ留置に費やした手技時間に関しては2群間で有意差を認めず,さらに2回の処置を行ったETGBS併用群の総手技時間と1回の処置であるENGBD群の手技時間との間にも有意差を認めなかった.手術までの間の在宅期間はETGBS併用群で有意に長かった(p<0.01).手技に伴う偶発症に関しては,ENGBD群で胆嚢管穿孔,膵炎(中等症)をそれぞれ1例ずつ認めたが,ETGBS併用群では偶発症を認めなかった.既に手術を施行したETGBS併用群の3例ではすべてでLCを試みたが1例でOCに移行した.【結語】術前の胆嚢炎症例に対するENGBD後wire guided ETGBS留置術は,NBが留置されていれば比較的容易に,さらに安全にETGBSを留置することができ,また,一時的な退院も可能なことから,DPCを採用している施設においては有用なドレナージ手技と思われた. |
索引用語 |
急性胆嚢炎, ETGBS |