セッション情報 一般演題

タイトル 082:

IFNL3(IL28B)、IFNL4遺伝子型乖離例の頻度と抗ウイルス療法の臨床効果の検討

演者 狩野 吉康(札幌厚生病院 肝臓内科)
共同演者 山口 将功(札幌厚生病院 肝臓内科), 木村 睦海(札幌厚生病院 肝臓内科), 荒川 智宏(札幌厚生病院 肝臓内科), 中島 知明(札幌厚生病院 肝臓内科), 桑田 靖昭(札幌厚生病院 肝臓内科), 小関 至(札幌厚生病院 肝臓内科), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院 肝臓内科), 大村 卓味(札幌厚生病院 肝臓内科), 髭 修平(札幌厚生病院 肝臓内科), 豊田 成司(札幌厚生病院 肝臓内科)
抄録 【目的】インターフェロンλ3(IFNL3)遺伝子(IL28B)近傍の第19染色体に、インターフェロンλ4(IFNL4)タンパクの合成を担っているIFNL4遺伝子が新たに同定さ れ、C型慢性肝炎の抗ウイルス療法の治療効果と密接に関連することが報告されてい る。アジア系、ヨーロッパ系の人種ではIFNL3とIFNL4遺伝子型の乖離例は少ないとされ ている。当科でのIFNL3およびIFNL4遺伝子型測定例での乖離の頻度とHCV陽性の乖離例(1型高ウイルス量)での抗ウイルス療法(IFN/RBV、IFN/RBV/Telaprevir、Daclatasvir(DAC )/Asunaprevir(ASV))の臨床効果を検討した。【方法】HCV関連肝疾患993例を対象 にしてIFNL3(rs8099917)、 IFNL4(ss469415590)の遺伝子型を測定した。一部の症例では抗ウイルス療法を施行した。【結果】IFNL3はTT 698例(70.3%)、TG 286例(28.8%)、GG 9例(0.9%)、IFNL4はTT/TT 683例(68.8%)、TT/ΔG 299例(30.1%)、ΔG/ΔG 11 例(1.1%)であった。乖離は18例(TT⇔TT/ΔG 17例、TG⇔ΔG/ΔG 1例)1.3%と低率であった。IFN/ribavirin併用療法を施行した1型高ウイルス量の乖離例(IFNL3:major, IFNL4:non-major)(TT/ΔG) 8例の抗ウイルス効果はSVR 2例、TVR 2例、NVR 4例であった。これらの症例のうちNVRの2例はTelaprevirを含む三剤併用療法で、1例はDCV/ASV (dual oral therapy)でSVRが達成された。【結語 】IFNL3、L4遺伝子型の乖離は1.3%と低率であった。乖離例(IFNL3:major, IFNL4:non-major)ではIFN/RBVの抗ウイルス効果は不良であったが、プロテアーゼ阻害剤を含む新規治療では良好な抗ウイルス効果が得られた。
索引用語 IFNL4, IFNL3