セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 169:診断が困難であった4型直腸癌の1例 |
演者 | 川岸 直樹(網走厚生病院 内科消化器科) |
共同演者 | 松田 可奈(網走厚生病院 内科消化器科), 藤田 弘之(網走厚生病院 内科消化器科), 阿部 暢彦(網走厚生病院 内科消化器科), 長 いく弥(網走厚生病院 内科消化器科), 小野寺 学(網走厚生病院 内科消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科消化器科), 市原 真(札幌厚生病院 臨床病理科), 岩口 佳史(札幌厚生病院 臨床病理科), 後藤田 裕子(札幌厚生病院 臨床病理科), 村岡 俊二(札幌厚生病院 臨床病理科) |
抄録 | 症例は78歳男性、201X年4月より肺炎にて当科に通院していた。7月中旬より微熱、下痢、食欲不振が継続し、8月に精査加療目的にて入院となった。下痢が主症状であったが、CTにて直腸壁の肥厚、口側腸管の拡張、右水腎症及び後腹膜肥厚所見を認めた。腸閉塞を発症し、経肛門的イレウス管留置した際に、下部直腸粘膜に約4cm程の滑らかな立ち上がりを有する全周性の狭窄が見られたが、生検では悪性所見は認めなかった。経内視鏡的にて診断困難と考え、近医に直腸狭窄に対し、EUS-FNAを依頼するも、悪性所見は認めなった。しかし、右水腎症も有することより、悪性疾患による直腸狭窄及び癌性腹膜炎を考えた。微熱も続いたため、CTを再度撮影したところ、新たに肺野に多発結節影、胸膜不整肥厚像が出現し、肺、胸膜転移が考えられた。その後、急激な呼吸状態の悪化があり、肺炎にて死亡した。直腸病変及び、肺炎の原因究明のため剖検を施行し、直腸狭窄は4型大腸癌で上行結腸転移、腎盂脂肪織転移を有していた。肺、胸膜病変は結核性であった。4型大腸癌は大腸癌のなかでは1%未満と稀な疾患であり、粘膜面に病変はほとんどなく、粘膜下主体に発育する。生検による診断率も低く、数回の生検が必要とする場合や手術で初めて判明する場合がある。結腸の狭窄病変を認めた場合は4型大腸癌も念頭におき、何度も生検をする必要があると考えられた。また、担癌患者に肺結節影が出現した場合は肺転移だけでなく、結核の再燃も考慮する必要があった。 |
索引用語 | 4型大腸癌, 結核 |