セッション情報 一般演題

タイトル 003:

No.16リンパ節腫大へのEUS-FNAが診断、治療の契機となった胆嚢癌の1例

演者 川岸 直樹(網走厚生病院 内科消化器科)
共同演者 松田 可奈(網走厚生病院 内科消化器科), 藤田  弘之(網走厚生病院 内科消化器科), 阿部  暢彦(網走厚生病院 内科消化器科), 長 いく弥(網走厚生病院 内科消化器科), 小野寺  学(網走厚生病院 内科消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科消化器科), 後藤田  裕子(札幌厚生病院 臨床病理科), 岩口  佳史(札幌厚生病院 臨床病理科), 市原  真(札幌厚生病院 臨床病理科), 村岡  俊二(札幌厚生病院 臨床病理科)
抄録 症例は73歳男性、201X年3月より背部痛を自覚し、当科を受診した。CA19-9 924U/mlと高値を示し、CTで腹部大動脈周囲リンパ節腫大(No.16b1)(28×13mm大)を認めた。上下部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査を施行し、胆石と胆嚢壁の一部軽度肥厚所見を認めるのみであった。コンベックス内視鏡にて十二指腸下降脚から腹部大動脈周囲のリンパ節が観察可能であったため、EUS-FNAを施行した。病理はCarcinomaであったが、原発臓器の判定は出来なかったため、PETを施行し、腹部大動脈周囲リンパ節の他に胆嚢壁に一部集積を認めた。FNAによってリンパ節転移が判明したが、原発巣は不明であり、PETにて胆嚢癌の可能性も否定できない状態であったため、診断的治療の目的に胆嚢摘出術を施行した。結果は進達度SSの進行胆嚢癌であった。以上より胆嚢癌、No.16リンパ節転移と診断し、化学療法が開始され、現在も継続している。今後、EUS-FNAの普及により、本症例のように生検にて先に癌の転移を発見し、原発巣の診断が困難な症例が増加する可能性があり、個々の症例に応じ、精査を追加し、対応していく必要があると考えられた。
索引用語 胆嚢癌, 原発不明癌